1994 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
05452222
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
森田 龍彌 大阪大学, 工学部, 助教授 (60029204)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
松村 雅史 大阪電気通信大学, 工学部, 助教授 (80209618)
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Keywords | 頸部インピーダンス計 / 音声ピッチ推定 / 音声ピッチ制御 / 逆推定問題 / 3次元MRI像 / 声道形状 / 鼻腔形状 / 歯冠形状 |
Research Abstract |
自然音声の合成は音声応答システムや発声障害者の発声代行システムの開発において重要な研究課題である.発声には声帯におけるピッチの制御と,口腔,鼻腔等の声道における調音制御の2つの要素がある.本年度も昨年度に引続き頸部電気インピーダンスによる音声ピッチ(イントネーション)の制御と,発声時の口腔,鼻腔の3次元形状計測の問題について研究を推進した. (1)発声代行システムの音声ピッチ制御を目的として,頸部インピーダンスによる音声ピッチの推定を行った.すなわち,インピーダンス-ピッチ間の静特性(非線形特性)を関数近似し,この関数によって静特性を補正する.つぎに静特性補正後のインピーダンスについてピッチ変化からの時間遅れ(動特性)を求め,この動特性を補正してピッチ変化を逆推定した.昨年は単一母音についてピッチの上昇,下降について推定を行ったが,本年は連続母音について推定を可能にした.すなわち,連続母音では音韻の変化とピッチ変化によるインピーダンス変化が加算されていることを確かめ,音韻の変化によるインピーダンス変化分を補正することによりピッチ変化が推定できることを明らかにした。 (2)通電電流40KHzにおいて,音声ピッチ変化に伴う抵抗変化分が数オームであるのに対し,容量変化分は数nFしかなく,頸部インピーダンスの大部分は抵抗変化分であると考えられ,最近まで容量分は殆ど注目していなかった。しかし,音声ピッチと抵抗との間に単調増加関係が見られない発声者において,音声ピッチと容量の間に単調増加関係が見られる場合が多数発見された.この傾向は実験日によらず,発声法に依存した個人性と考えられる.また,容量変化によっても抵抗変化の場合と同様に音声ピッチの推定が可能であることが確かめられ,音声ピッチ推定の適用可能範囲が広がった.
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[Publications] 松村,新川,清水,橋本,森田: "MRIによる歯冠部を含む声道と鼻腔の三次元形状の計測" 電気学会論文誌C Vol.114. 11. 1067-1072 (1994)