RC構造物におけるピークおよびポストピーク挙動に関する解析的研究

1993 Fiscal Year Annual Research Report

• Project/Area Number: 05452227
• Research Institution: Nagoya University
• Principal Investigator: 田辺 忠顕 名古屋大学, 工学部, 教授 (50144118)
• Co-Investigator(Kenkyū-buntansha): 桧貝 勇 山梨大学, 工学部, 教授 (70115319) ; 二羽 淳一郎 名古屋大学, 工学部, 助教授 (60164638)
• Keywords: 最大荷重点 / 変形の急変点 / 接線剛性マトリックス / 固有値 / 分岐点 / 破壊モード / RC橋脚 / ジャンプ条件

Research Abstract

本研究は、原子力構造など重要施設の最大荷重点、あるいは変形の急変点の理論値を数値解析によって求めるための研究であって、接線剛性マトリックスの固有値を調査して分岐点を捜しだし、同時に接線剛性マトリックスのジャンプ条件についても同様の調査を行い、各種の破壊モードとの関係を調べることであった。
本年度はRCフレーム構造にたいして大変形解析と材料非線形解析を行い、これらの関係を調査した。その結果、RCフレーム構造についてはこれらの固有値の一つのあるいは複数の負点が生じる点が破壊や変形急変に対応していることが判明した。これらの結果、多くの数値実験を行いRC橋脚について行い、耐震設計で問題となるエネルギー吸収限界点である変形急変点を数値解析によって見出し靭性率の簡易式を導いた。RCフレーム構造については、この他により不静定次数の多い構造について同種の検討をすすめつつある。
接線剛性マトリックスのジャンプ条件の実構造物との対応については、単純なコンクリート矩形供試体について、DRUCKER-PRAGERタイプの構成則を用いて実験で得られる破壊の方向と理論上の破壊の方向が一致するように塑性ポテンシヤルを定めることができたが、実際の壁やはり、あるいは、それらの複合構造物については現在作業をすすめている段階である。
作業を通じて判明したことは、これらの破壊が多くの場合に、荷重最大点を通り越して、軟化領域に入った後に生じるために数値解析上のテクニックが極めて必要でなかなか簡単には進まないということであった。

Research Products

• [Publications] Yu,Guo-xiong: "Localization Analysis of Concrete Element with the Unified Concrete Model" 土木学会論文集. (発表予定).
• [Publications] Yu,Guo-xiong: "Localization Analysis of a Concrete Bar" コンクリート工学年次論文集. 15. 1237-1242 (1993)
• [Publications] 中村 光: "解析的研究に基づくRC部材の塑性変形態定量化" 土木学会論文集. 442. 127-135 (1992)
• [Publications] 中村 光: "RCはりの終局挙動に関する解析的研究" コンクリート工学年次論文報告集. 13. 281-286 (1991)