1994 Fiscal Year Annual Research Report
リニアモータを用いた小型制震装置による多自由度系のアクティブ制御
Project/Area Number |
05452231
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Research Institution | University of Tokyo |
Principal Investigator |
東原 紘道 東京大学, 地震研究所, 教授 (10125891)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
飯田 昌弘 東京大学, 地震研究所, 助手 (50159563)
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Keywords | アクティブ制振 / アクティブリモートセンシング / リニアモータ / 地震工学 / 人工震源 / 地盤の振動 |
Research Abstract |
アクティブ方式の振動制御のために当研究室では、ハードウェアとしてはボイスコイル型のリニアモータを用いるとともに、ソフトウェアとしては、モータの能力制約を明示的に処理する最適化プログラムを開発することにより、激震時でも正常に作動するシステムを提案し、解析的研究及び実証的研究を積み重ねてきた。従来の振動制御の研究は数理的分析を中心にしているが本研究では、制御システムを形成する計測部と情報処理部と駆動部について、それぞれの作動速度と信頼性について詳細な検討を行い、その基礎システムを確立した。その結果、具体的な工学課題に対して、本研究で開発したシステムをべ-スにすることで直ちに制御装置を設計できる段階に至った。 制御装置を研究する中で、見いだされてきた新しい可能性がある。それは、モーターの回転速度の超精密制御である。例えば回転周波数のゆらぎの非常に小さいモーターに重錘をつけたものを回転させ、さらにこの装置を地盤に接着すると、地盤には高精度で回転数一定の調和波動が放射される。GPS時計を利用した時刻較正機能を付せば、時刻精度を長時間にわたって維持できる。この場合、長期間にわたって応答記録の重ね合わせが可能になる。その結果、SN比を大幅に改善できる。さらに、回転周波数を変化させて、多数の周波数に対して応答記録が得られれば、フーリエ変換によって、時間領域応答が得られる。回転周波数のゆらぎを小さくできると、この周波数領域のデータを密にできるから、ソースとセンサーを適切に分布させることにより、弾性波速度分布を高分解能で決定できる。以上を要約すれば、モーターの高精度制御技術は、地下探査のブレイクスルーをもたらす可能性をもっているということである。そこで、本研究では、関連研究として、回転数精密制御回転震源を試作し、そのフィージビリティ調査を行った。
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Research Products
(6 results)
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[Publications] INDRAWAN,B.: "Active vibration control with explicit treatment of actuator's limit" Proc.Seminar on seismic isolation. 715-726 (1993)
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[Publications] HIGASHIHARA,H.: "Microtremors data of South-bisan seto bridge and estimation of ground elasticity" Proc.2nd European Conf.structural dynamics. 201-206 (1993)
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[Publications] SPUDICH,P.: "The seismic coda,site effects,and scattering in alluvial basins studied using aftershocks of the 1986 eathquake" Bulletin of Seismological Society of America. 83-6. 1721-1743 (1993)
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[Publications] IIDA,M.: "Source effects on strong-motion records and resolving power of strong-motion arrays for source inversion" Tectonophysics. 218. 179-193 (1993)
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[Publications] 東原紘道: "強震動地震学と土木耐震設計論" 地震2. 47. 203-224 (1994)
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[Publications] 東原紘道: "精密制御回転震源の波動励起能力" 施工管理と工程監視のための地下計測ワークショップ論文集. 55-59 (1994)