1995 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
05452242
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Research Institution | University of Tsukuba |
Principal Investigator |
西村 仁嗣 筑波大学, 構造工学系, 教授 (00010819)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
京藤 敏達 筑波大学, 構造工学系, 助教授 (80186345)
椎貝 博美 筑波大学, 構造工学系, 教授 (20016322)
松内 一雄 筑波大学, 構造工学系, 教授 (70111367)
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Keywords | 水理実験 / 流れの可視化 / 内部流速場 / カラービデオ画像解析 / 砕波 / 越波 |
Research Abstract |
2次元水路内に直方体の堤体模型(厚さ12cm,幅10cm,高さ15cm)を設置し,孤立波を発生させてその越波の状況を上記VTR装置により撮影した.鉛直断面内の流れを可視化するため,トレーサとして橙,緑,青,白の4色のポリスチレンビーズ(直径0.45〜1.88mm)を用いた.さまざまなな試行錯誤の結果,最適な画像取得および解析の条件として,1)多色のトレーサを混合して用いる,2)シャッタースピードは1/500sとする,3)近傍3×3画素単位の加重平均フィルター処理を行う,4)テンプレートの大きさは13×13画素とする,5)パターンマッチングにおける検索範囲は原位置から10画素以内とする,等の結論が得られた. 得られた画像の画素ごとの情報を統計的に分析したところ,色相の変化は予期したほどではなく,トレーサや照明といった可視化技術には改良の余地がありそうである.ここでは,モノクロ画像に比して増大した情報量を活かして,3色それぞれの平面相関とそれらの総和から総合的に連続する画像間で流体要素の同定を行い,速度ベクトル検出の信頼度を高める工夫をした.こうして描かれた速度ベクトル場の精度と信頼性は,連続式の残差を評価することによって確認し,併せて渦度の分布をも算定した. 越波の内部機構に関しては,堤体隅角部近傍で天端より上の高流速域からこれに隣接する堤体前面の低流速域にかけて剪断流が形成される様子が観測された.そこでは強い渦度が生じ,流速ベクトルの検出が困難となる.また堤体天端上の越流断面内流速が平面分布の形で得られた.越流流速は当然のことながら波頂付近で大きくなり,一般に水表面より少し下層で最大流速が生じる.これらは,数値解析における境界条件の設定等,今後の研究に向けて有用な知見を与えるものと考え,成果の詳細を報告書の形にとりまとめて公表した.
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