1993 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
05452243
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Research Institution | Tokyo Institute of Technology |
Principal Investigator |
福岡 捷二 東京工業大学, 工学部・土木工学科, 助教授 (30016472)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
渡辺 明英 東京工業大学, 工学部, 助手 (00240474)
竹村 次朗 東京工業大学, 工学部, 助教授 (40179669)
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Keywords | 河岸侵食 / 現地実験 / 侵食速度 / 侵食限界 / ヒサシ河岸 / 崩落土塊 |
Research Abstract |
・自然堆積河岸を構成する土質ごとの流れに対する侵食特性を現地実験により求め、これと流れによるせん断力との関連について検討を行った。崩落土塊の大きさ・形状について現地観測、現地実物大実験により検討を行った。まず、実河川の高水敷に水路を掘り、そこに種々の流量で水を流して水面勾配、流速分布と砂質土・シルト・粘土ごとの侵食速度を測定した。このとき、侵食部はヒサシ状の形状をなし、複雑な流れ場となる。このヒサシ状河岸をもつ水路の流れ場、せん断力場を求める数値モデルを開発し、実験結果と比較検討することによって数値モデルの妥当性を得ることができた。これを用いることにより、ヒサシ下部の河岸に作用するせん断力を求めることができるようになり、せん断力と土質ごとの侵食速度の関係を得ることができた。また、洪水後に現地河岸の崩落土の形状・侵食状況を調査した。これと併せて現地河岸の下部を掘削して土塊を強制的に崩落させ、土塊の高さと奥行きを計測し、現地の土質調査を行った。これより、崩落土塊の幾何形状を土質強度との関係から表せることが明らかになった。 ・遠心模型実験装置を用いて、浸透流による盛土の崩壊実験を盛土の強度、盛土の補強工の有無を変えて行い、以下の結果を得た。すなわち、補強の有無に関わらず、のり先の水位がある一定の高さになるとのり先崩壊が発生し、この後の崩壊パターンに補強、未補強の差が現れる。未補強の場合には大きな円弧滑りが発生するが、この大きな円弧滑りは杭で補強することにより抑止され、崩壊領域は斜面の浅い部分に限定される。特に杭の打設密度が大きくなると、崩壊がのり先から斜面上方に徐々に進展していく進行性の破壊パターンとなる。
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[Publications] 福岡捷二,木暮陽一,佐藤健二,大東道郎: "自然堆積河岸の侵食過程" 水工学論文集. 37. 643-648 (1993)
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[Publications] 大東道郎,福岡捷二,佐藤健二: "自然堆積河岸の侵食速度について" 土木学会年次学術講演会. 48. 568-569 (1993)
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[Publications] 佐藤健二,福岡捷二,大東道郎: "ヒサシ状河岸に作用するせん断力" 土木学会年次学術講演会. 48. 570-571 (1993)
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[Publications] 福岡捷二,大東道郎: "河岸侵食速度に及ぼす土質構造の影響" 日本自然災害学会講演会. 12. 63-64 (1993)
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[Publications] 吉迫和生,廣岡明彦,竹村次朗,木村孟,村石尚: "盛土斜面崩壊に関する実物大模型実験と遠心模型実験の比較" 第28回土質工学研究発表会. 2163-2164 (1993)
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[Publications] 岩本敏彦,竹村次朗,廣岡明彦,村石尚: "浸透流による盛土崩壊とその対策について" 第28回土質工学研究発表会. 2169-2170 (1993)