1993 Fiscal Year Annual Research Report
繰返し軸方向力を受けるコンクリート充填鋼管部材の座屈挙動と耐震性能に関する研究
Project/Area Number |
05452254
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
松井 千秋 九州大学, 工学部, 教授 (00037756)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
堺 純一 九州大学, 工学部, 助手 (30215587)
津田 〓吾 九州大学, 工学部, 助手 (50112305)
河野 昭彦 九州大学, 工学部, 助教授 (60136520)
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Keywords | コンクリート充填鋼管 / 繰返し力 / 局部座屈 / 曲げ座屈 / 円形鋼管 / 角形鋼管 / 径厚比 / 幅厚比 |
Research Abstract |
強震下の建築骨組のブレースあるいはトラス構造の弦材など非定常の繰返し軸方向力を受ける部材には,コンクリートを充填した鋼管が極めて有効であると考えられる.そこで,鋼管コンクリート部材の耐震性能を明らかにする目的で,同部材に繰返し軸方向力を載荷する実験を行った.試験体に用いた鋼管はSTK400およびSTKR400の電縫円形鋼管(直径101.6mm),角型鋼管(せい,幅100mm)であり,外径の4倍の長さを持つ短柱である.充填コンクリートの設計シリンダー強度は300kgf/cm2である.実験変数は鋼管断面形(円形と角形),コンクリートの充填の有無,径厚比(円形鋼管),幅厚比(角形鋼管),軸力載荷条件である.径厚比および幅厚比は各々20,30,50の3種類としている.軸力載荷条件は単調圧縮,単調引張,軸変移振幅±1.0%,±1.5%,±2.0%の定変位振幅繰返載荷とした.さらに局部座屈発生時の軸変位を確認するための探査用試験を行った. 実験結果より角形鋼管,円形鋼管ともに,以下のことが明らかにされた. 1.鋼管の亀裂発生までのエネルギー吸収量は,コンクリートを充填すると増大する.軸方向定変位振幅を受けるコンクリート充填鋼管のエネルギー吸収量は単調引張の場合に比較して大きく,また,変位振幅が小さい方が大きい. 2.コンクリートを充填することにより,鋼管の局部座屈発生から亀裂が発生するまでの繰返しサイクル数が増加する.また,局部座屈発生後の履歴曲線の劣化が緩和される. 3.コンクリートの充填の有無に関わらず,径厚比,幅厚比が小さいほど履歴曲線の劣化が緩和される. 4.局部座屈が発生する曲げ圧縮側の管軸方向歪振幅が存在することが確認できた.この歪振幅は鋼管の径厚比,幅厚比に大きく影響される.また,コンクリートを充填することにより,この歪振幅は大きくなる.
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