1993 Fiscal Year Annual Research Report
エネルギー循環利用を考慮した冷暖房のための中・長期蓄熱システムに関する研究
Project/Area Number |
05452258
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
落藤 澄 北海道大学, 工学部, 教授 (50001152)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
佐々木 博明 北海学園大学, 工学部, 教授 (60128816)
横山 真太郎 北海道大学, 工学部, 助教授 (90002279)
持田 徹 北海道大学, 工学部, 教授 (40002050)
長野 克則 北海道大学, 工学部, 助手 (80208032)
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Keywords | 長期蓄熱 / エネルギー循環利用 / 帯水層 / 土壌熱源 / 冷暖房 |
Research Abstract |
中・長期蓄熱システムとして地中方式と帯水層方式を取り上げ、温熱利用と冷熱利用の蓄熱効果に関する解析を行った。地中方式は深さ30mの埋設管に冬季間冷水を循環させて冷熱貯蔵を行い、夏季に温熱貯蔵を行う年間サイクルの蓄熱を想定した。シミュレーションの結果、年間の循環蓄熱が有効であることが分かった。その効果は熱負荷の状況、土壌の温熱特性、冷暖房の温度条件よって著しく異なることが判明した。給湯と冷暖房の全熱負荷がほぼ等しく、土壌の年平均温度が冷暖房の設定温度の平均値に近ければ近いほど効果的である。 帯水層方式については、温熱貯蔵のシミュレーションを行った。北海道リハビリーの実在の施設を模擬し、100mの深さに帯水層が存在するものとして計算を行った。夏季に低温水を注入し、冬季に汲み上げることによって、自然温度基準の熱回収率を求めた。熱回収率は注入水量、帯水層の厚さ、相当熱伝導率などに左右されるが、注入温度には影響されないことが分かった。実存の施設と同じ条件を設定した場合、熱回収率はおよそ60%となり、その有効性が示された。8年間の実測では熱回収率は約50%であるので計算値は若干高いが、傾向は相似しているものと言える。 実験は地中方式の蓄熱特性について行った。埋設管の形態は3種類の30m深さの垂直管である。U字管、2対U字管および井戸型であり、110mmのボアホールに設置して埋め戻した。U字管などの口径、間隔などは両者をパラメーターとした解析結果から適当な寸法を設定した。平成5年12月からの実験の結果、冷蓄熱量は埋設管の形状にあまり影響されず、ボアホールの大きさで決まることが判明した。蓄熱量(採熱量)はボアホール1m当たり30-40Wであり、計算の値よりも大きめにでている。
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[Publications] 落藤澄、長野克則: "垂直埋設管を用いた季節間土壌蓄熱に関する研究 第1報 冬期土壌採熱と冷蓄熱の実験" 空気調和・衛生工学会北海道支部学術講演論文集. 第28回. 109-112 (1994)
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[Publications] 落藤澄、長野克則: "垂直埋設管を用いた季節間土壌蓄熱に関する研究 第2報 各種熱交換器の採熱特性の解析" 空気調和・衛生工学会北海道支部学術講演論文集. 第28回. 113-116 (1994)
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[Publications] 落藤澄、長野克則: "地下帯水層の長期蓄熱に関する解析" 空気調和・衛生工学会北海道支部学術講演論文集. 第28回. 13-16 (1994)