1993 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
05452281
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
榎 学 東京大学, 先端科学技術研究センター, 助教授 (70201960)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
岸 輝雄 東京大学, 先端科学技術研究センター, 教授 (40011085)
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Keywords | ジルコニア / 積層 / 破壊靭性 / 微視破壊 / アコースティック・エミッション |
Research Abstract |
セラミックスは高温材料や耐摩耗材料として期待されているが,その本質的の脆性のためにそれらの有効な特性が生かされていない。そこで本研究では、セラミックスの脆性の克服のために、強靭性ジルコニア積層材料の開発を目指す。部分安定化ジルコニア材料における応力誘起変態により、、靭性が上昇することが知られているが、変態量の飽和のためにある一定の靭性の増加しか得られない。そこで本研究では非変態層と変態層を積層し、その厚さを制御することにより、き裂進展抵抗の大きい強靭性ジルコニア積層材料の開発をした。 まず、薄膜の作製を行なった。組成がZrO_2-6mol%Y_2O_3、ZrO_2-3mol%Y_2O_3、ZrO_2-2mol%Y_2O_3のものを用いる。それぞれの組成の粉体を購入して用い、適当な溶媒によりスラリーを作製した。その際の粘度等の条件を制御することにより、一定の厚さの薄膜を得るようにした。得られた薄膜を数十層積層し、現有のホットプレスを用いて加圧焼結を行った。前後が単体のジルコニア板によりはさむことにより、力学的試験が可能な形状を得るようにした。得られた試験片を用いて、ビッカース圧子押込み試験を行ない、き裂進展抵抗を測定した。また、その積層厚さ及び組成の影響を調べた。また、ラマン分光装置を用いて、き裂周辺の変態量を測定した。得られた材料を破壊靭性試験片に加工し、SEPB法により予き裂を導入した後、破壊靭性値をき裂進展の様子をビデオマイクロスコープを用いて観察を行った。その際のアコースティック・エミッションを計測した。き裂進展の際のアコーステイック・エミッション計測結果と上記のき裂進展の観察より、き裂周辺の変態の意味を明らかにし、強靭化の機構を解明できた。
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[Publications] 須藤 英幸,榎 学,岸 輝雄: "ジルコニア積層材のAE特性" 第9回アコースティック・エミッション総合コンファレンス論文集. 193-198 (1993)
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[Publications] Manabu Enoki,Hideyuki Sudou and Teruo Kishi: "PROCESSING AND MECHANICAL PROPER TIES OF Y-TZP MULTLAYER COMPOSITES" PROCEEDINGS OF THE THIRD JAPAN INTERNATIONAL SAMPE SYMPOSIUM. 1. 657-660 (1993)