1993 Fiscal Year Annual Research Report
次世代金属射出成形プロセスのための粉粒体モデリング
Project/Area Number |
05452290
|
Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
相澤 龍彦 東京大学, 工学部, 助教授 (10134660)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
中川 知和 神戸製鋼(株)機械研究所, 主任研究員
立澤 清彦 東京大学, 工学部, 助手 (70013729)
|
Keywords | 粉粒体モデル / 2次元モデル / 3次元性 / 熱伝達 / バインダー / 熱伝導 / 射出成形 / キャピラリー試験 |
Research Abstract |
次世代の金属射出成形(Metal Injection Molding)を支援するためには、(1)実際の射出成形プロセシングで生じる諸現象を物理モデルとして写し取り、マクロな特性を予測したり、キャピラリー試験などのマクロな試験結果を定量的に再現すること、(2)解析結果を十分に活用して、技術上実験では得られないデータあるいは実験的にはほとんど不可能なデータを算出、予測し、実験では見えてこない、可測なデータとそれらの物理関係を求めること、(3)実験では絶対に実現不可能な条件(例えば、きわめて高速な射出速度・理想的な冷却条件など)あるいは物理的に非現実的な物性値を設定することによって、現実の粉末射出成形技術が占める位置、将来の技術確信が歩む方向性を議論することなどが、この種の材料プロセシングシミュレーションに課される。本研究の目的は、上記の要件を満足すべき解析モデルを提示し、それが単にグリーン体の金型キャビティー内部への充填時間の推定に留まることなく、成形にかかわる諸現象ならびにグリーンのミクロなレオロジー変化、またそのプロセス中のレオロジー特性変化への粉末特性の影響について記述できることを実証するところにある。本年度は、この目標の第1段階((1)に対応する段階)として、粉末粒子-バインダー系からなる複合モデル要素(2次元、3次元)を開発し、かつ金型との熱伝達・グリーン体内部の熱伝導と流動とを連成解析できるシステムを構築した。まず本モデルの定量的な妥当性を検討する目的で、キャピラリー試験によるSUS416L-ポリエチレン系の実験データが本モデルにより再現できるのかを調べた。まず、見かけ粘度のひずみ速度依存性は、実測に用いたせん断ひずみ速度範囲10^1-10^4/sにおいて、解析結果は実験および計算モデルに用いたグリーン体の粉末充填率に関係なく、良好に一致しており、本モデルが定量的に金属粉末-バインダー系の物理モデルであることがわかった。第2段階((2)に相当する)として、射出に伴うグリーン体の状態変化を、本モデルより求められる接触粒子数分布から検討した。噴出ゲート出口で近傍で接触粒子数が大きく分布、減少することより、成形プロセス上で重要な保圧状態がゲート近傍で変化するという事実が計算モデルから直接記述することができた。
|
Research Products
(6 results)
-
[Publications] T.Iwai,T.Aizawa,J.Kihara: "Powder-binder from modiliny with consideration on of this ma-mechanical coupling for metal injection molding" Proc.1993 Powder Metallurgy World Congress. 222-225 (1993)
-
[Publications] 相澤龍彦: "粉粒体モデリングによる粉体成形シミュレーション" トライボロジスト. 38. 955-962 (1993)
-
[Publications] T.Iwai,T.Aizawa,J.Kihara: "Granular from simulation for metal injecthon molding prosess" Int.J.Modern Physics B. 7. 2047-2056 (1993)
-
[Publications] T.Iwai,T.Aizawa,J.Kihara: "Granular modeling for metal injection molding" Proc.Int.Conf.Computer-Assisted Mat.Denign and prouns simbilation. 171-176 (1993)
-
[Publications] T.Aizawa: "Granular modeler of two and three chiminsional powder dynamics in powder forming and mitallurgy" Proc.Disorete Particle Simulations in Powder Techmology. 37-42 (1993)
-
[Publications] T.Iwai,T.Aizawa,J.Kihara: "Non-Newtonian Flon ability Evaluation on of Metallic Powder Binder Componnd in Metal Injection Moldily" Developments in Non-Newtonian Flons. AMD-175. 39-48 (1993)