1993 Fiscal Year Annual Research Report
ファセット的セル状凝固における液相中の熱、物質輸送に関する研究
Project/Area Number |
05452300
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Research Institution | Institute of Space and Astronautical Science |
Principal Investigator |
栗林 一彦 宇宙科学研究所, 宇宙輸送研究系, 教授 (70092195)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
稲富 裕光 宇宙科学研究所, 宇宙輸送研究系, 助手 (50249934)
佐藤 英一 宇宙科学研究所, 宇宙輸送研究系, 助手 (40178710)
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Keywords | 二波長干渉法 / 界面形態不安定性 / 組成的過冷却 / 熱・物質輸送 |
Research Abstract |
これまで代表者らが研究してきたファセット的セル状界面前方の温度場の乱れ、特に逆温度勾配の形成は、ファセット界面形態変化の駆動力であり、これを制御することは半導体、酸化物超電導体等の高品質結晶の育成の鍵となる。さらにこれらの結晶の育成においては、温度場のみならず、界面の進行に伴って排出、あるいは取り込まれることによる界面前方の液相内の溶質原子の分布の変化も大きな問題となることが予想される。本研究では、ファセット的界面形態を呈するザロールをベースにアルコールを溶質とした二元合金をモデル試料に用い、多波長干渉法による温度場、濃度場の分離測定を試みた。本年度は波長が550nmのHe-Neレーザーと780nmの半導体レーザーを光源とした二波長マッハツェンダー型干渉計を構成し、上記試料の一方向凝固時の界面形態と凝固条件の関係を調べ、併せて界面近傍の干渉計測を行なった。結果を要約すると、 【.encircled1.】固液界面は純ザロールの場合と同様に基本的には等温となり、加えて等濃度となる傾向が認められる。 【.encircled2.】界面形態は、純ザロールの場合に比べて明らかに不安定化しやすい。これは逆温度勾配の出現に加えて濃度勾配の形成による組成的過冷却が重畳とされたためと考えられる。 次年度はこれらの結果の再現性を検証するとともに、光軸の調整が容易になる多色光源(クリプトンレーザー)を導入し、データの定量化を図ることを計画している。
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[Publications] T.Yoshida: "In-situ Observation of Faceted Cellular Array Growth in Transparent Organic Material" Proc.IUMRS-ICAM-93. 印刷中.
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[Publications] Y.Inatomi: "Real-time Observation of Faceted Cellular Growth" Microgravity Q. 3. 93-96 (1993)
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[Publications] Y.Inatomi: "In-situ Observation of Unidirectional Dissolution Process in Organic Alloy under Microgravity" J.Jpn.Soc.Microgravity Appl. 10. 234-240 (1993)