1994 Fiscal Year Annual Research Report

ファセット的セル状凝固における液相中の熱、物質輸送に関する研究

Research Project

Project/Area Number	05452300
Research Institution	The Institute of Space and Astronautical Science
Principal Investigator	栗林一彦宇宙科学研究所, 宇宙輸送研究系, 教授 (70092195)
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha)	稲富裕光宇宙科学研究所, 宇宙輸送研究系, 助手 (50249934) 佐藤英一宇宙科学研究所, 宇宙輸送研究系, 助教授 (40178710)
Keywords	包晶反応 / 界面カイネティクス / 熱・物質輸送 / 可視化
Research Abstract	包晶反応は包晶相内の固相内拡散が律速する相変化と考えられてきたが、ファセット的界面形態を示す物質における結晶成長は界面カイネティクスにより記述されるため界面温度は平衡温度よりも低下する。この場合初晶-液相界面濃度と包晶相-液相界面に濃度差が生ずることになり、大城らおよび塩原らは液相を介しての物質輸送の可能性を指摘した。しかしながら、液相内拡散の存在を裏付ける各相の界面温度・濃度の違いと界面過冷度の関係は未だ明らかになっていない。本研究では、このような観点からファセット的界面形態を示す典型的な包晶反応の例としてアルカリハライド・水系をモデル試料に用いた凝固過程の可視化実験により、包晶凝固における熱物質輸送過程の詳細を明らかにすることを目的とした。試料として40℃付近でLiBr・H_2O(以下初晶と略す)からLiBr-2H_2O(以下包晶相と略す)を生成する包晶反応を持つLiBr-H_2O系を用いた。常温で初晶のみが安定に存在する濃度のLiBr水溶液をつくり、熱電対を挿入した試料部厚さ3mmの石英ガラスセルに封入した。次に、試料部厚さ1mmのカバーガラスセルに初晶の融液を注入後初晶のみが安定に存在する包晶点以上で凝固させた。石英ガラスセルには両端で10℃の温度差をつけ、高温側からカバーガラスセルを挿入し、初晶の表面にわずかに生成した包晶相を融解した後、冷却速度1℃/hrで一方凝固させた。それぞれの結晶が融解・凝固する様子を実体顕微鏡で直接観察し、VTRに録画したものを画像処理してそれぞれの結晶の界面移動距離を求めた。初晶であるLiBr・H_2Oが融解し包晶相であるLiBr・2H_2Oが包晶温度以下で凝固する様子が明確に観察され、液相内拡散により包晶相に対応するLiBr・2H_2Oが晶出することが明らかになった。

Research Products
(5 results)

All Other

All Publications (5 results)

[Publications] 栗林一彦: "微小重力下の材料プロセシングの昨日と明日" 日本金属学会会報. 33. 988-992 (1994)
[Publications] T.Yoshida,Y.Inatomi and K.Kuribayashi: "In-situ Observation of Faceted Cellular Array Growth in Transparent Organic Material" Advanced Materials '93,III,ed.by Masumoto et al. 637-642 (1994)
[Publications] Y.Fukunaka,K.Okano,Z.Asaki and K.Kuribayashi: "Interferometry Measurement of Concentration Profile of Cu^<2+> Ion Associated with Electrodeposition of Copper under Microgravity" Advanced Materials '93,III,ed.by Masumoto et al. 601-606 (1994)
[Publications] 栗林一彦: "マイクログラビティー下での材料実験" 培風館石川正道,日比谷孟俊編(分担執筆) マイクログラビティー), 15 (1994)
[Publications] 栗林一彦: "微小重力下の結晶成長" 共立出版日本結晶成長学会編(分担執筆) 結晶成長ハンドブック(印刷中),

1994 Fiscal Year Annual Research Report

ファセット的セル状凝固における液相中の熱、物質輸送に関する研究

Principal Investigator

栗林 一彦 宇宙科学研究所, 宇宙輸送研究系, 教授 (70092195)

Research Products

[Publications] 栗林一彦: "微小重力下の材料プロセシングの昨日と明日" 日本金属学会会報. 33. 988-992 (1994)

[Publications] T.Yoshida,Y.Inatomi and K.Kuribayashi: "In-situ Observation of Faceted Cellular Array Growth in Transparent Organic Material" Advanced Materials '93,III,ed.by Masumoto et al. 637-642 (1994)

[Publications] Y.Fukunaka,K.Okano,Z.Asaki and K.Kuribayashi: "Interferometry Measurement of Concentration Profile of Cu^<2+> Ion Associated with Electrodeposition of Copper under Microgravity" Advanced Materials '93,III,ed.by Masumoto et al. 601-606 (1994)

[Publications] 栗林一彦: "マイクログラビティー下での材料実験" 培風館 石川正道,日比谷孟俊編(分担執筆) マイクログラビティー), 15 (1994)

[Publications] 栗林一彦: "微小重力下の結晶成長" 共立出版 日本結晶成長学会編(分担執筆) 結晶成長ハンドブック(印刷中),

栗林一彦宇宙科学研究所, 宇宙輸送研究系, 教授 (70092195)

[Publications] 栗林一彦: "マイクログラビティー下での材料実験" 培風館石川正道,日比谷孟俊編(分担執筆) マイクログラビティー), 15 (1994)

[Publications] 栗林一彦: "微小重力下の結晶成長" 共立出版日本結晶成長学会編(分担執筆) 結晶成長ハンドブック(印刷中),