1994 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
05452306
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Research Institution | Osaka Prefecture University |
Principal Investigator |
西岡 通男 大阪府立大学, 工学部, 教授 (60081444)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
坂上 昇史 大阪府立大学, 工学部, 助手 (70244655)
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Keywords | 超音速混合 / 乱流混合 / 乱流混合機構 / 乱流混合の制御 / 超音速混合の制御 / 乱流の制御 / 縦渦 |
Research Abstract |
スクラムジェットエンジン開発上の必須の技術課題として位置付けられている超音速混合に関し,マッハ数2.5の超音速流中に縦渦(流れ方向に渦軸を持つ渦)構造を導入する手法およびこの縦渦構造を用いた超音速乱流混合の促進制御について実験と数値シミュレーションによる研究を行い。次の各項目について,ほぼ満足できる成果が得られた。 1.縦渦の組み合わせによる混合の促進 平成6年度には,縦渦の向きと縦渦列の2列の組み合わせを種々に変えた場合の縦渦列間の干渉を詳しく調べた。1列の場合には同方向回転縦渦列の方が混合に有利であり,また逆方向機転の縦渦列でも,2列にすると混合に有効な小スケールの渦が生まれることがシュリーレン法による可視化,ピト-圧の測定および熱線による変動の測定から明らかにされた。 2.衝撃波と剪断層の干渉 衝撃波と剪断層の干渉については,シュリーレン写真の画像処理により,剪断層の不安定性にかかわる渦スケールについて統計的な情報を得た。しかし衝撃波後方で剪断層が小スケール渦にバーストする機構についてはまだ解明には至っていない。 3.粗度による攪乱の導入 縦渦形成段階で表面粗さによる攪乱を縦渦に導入すれば縦渦内を小スケールの渦で満たすことができ混合に有利であることがわかった。 4.数値シミュレーションによる成果 縦渦導入モデルの周りの3次元流れを,圧縮性ナビエ・ストークス方程式に基づきTVD法で解き,縦渦形成段階の詳細が明らかとなった。次に燃料水素の注入法を考慮し,渦核を小スケールの渦に崩壊させて水素と混合させるための最適な渦構造を見出すため,種々の渦構造の時間発展を調べた。そして混合を一気に促進させる構造について知識が得られた。 燃焼の計算にも取りかかっており,次年度に向け十分な成果が得られたと考えている。
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[Publications] 浅井雅人: "翼面人剥離泡流れの音波に対する応答" 日本航空宇宙学会誌. 42. 395-402 (1994)
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[Publications] M.Asai: "A Non-linear Receptivity Process Generating Tollmien-Schlichting Waves" Fluid Dynamics Research. 14. 53-62 (1994)
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[Publications] 須浪徹治: "超音速後流中の縦渦間の干渉" 日本流体力学会誌「ながれ」. 13別冊. 56-59 (1994)
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[Publications] 西岡通男: "渦の音響励起による失速制御" 日本航空宇宙学会誌. 43. 53-58 (1994)
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[Publications] 須浪徹治: "縦渦列による超音速混合の制御" 第26回流体力学講演会講演集. 165-168 (1994)
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[Publications] 西岡通男: "市街地での拡散予測に関する研究(その3)LESモデルによる数値シミュレーション" 第35回大気汚染学会講演要旨集. 277- (1994)