1993 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
05452310
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
貴島 勝郎 九州大学, 工学部, 教授 (90038042)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
古川 芳孝 九州大学, 工学部, 講師 (90253492)
新開 明二 九州大学, 工学部, 助教授 (10112301)
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Keywords | 高速艇 / 横傾斜 / 不安定現象 / 傾斜モーメント / 復原力 |
Research Abstract |
高速艇が高速航行をする場合,静止時に十分な復原性を有していても,ある船速以上になると横不安定現象を引き起こすことがある。本研究においては,この高速航行時における動的な横不安定現象の発生メカニズムについて,運動学的見地より検討を行なうことを目的とし,本年度は高速航行時の高速艇に生じる横傾斜の現象を把握するために,試験水槽において拘束模型試験を行なった。 まず,surge,yaw のみを拘束した試験を実施し,GMや船速の違いによる船体姿勢の変化を計測することにより,横不安定現象が生じる領域の特定を試みた。その結果、船速が比較的遅い場合には艇の横傾斜はある横傾斜角で静定し,艇は横傾斜したまま航走するが,さらに船速が速くなると横傾斜が静定せず横転に至ることが分かった。従って,高速艇の動的な横不安定現象は船速が速いほど生じやすいことが明らかになった。また、船速を一定としてGMの値を変化させた実験を行なった結果,GMが小さいほど横不安定現象は起こりやすいことを確認した。 続いて,全運動を拘束した模型試験を行ない,船速と横傾斜角をパラメータとして,高速航行時に艇に作用する横傾斜モーメントの計測を行なった。その結果,横不安定現象を生じ始める船速付近においては,横傾斜角の値に関わらず横傾斜モーメントはほとんど0となった。これは何等かの外乱が作用して艇が横傾斜した時に,復原する力を持たないことを表わしている。また、さらに船速が速くなった場合には,横傾斜角が大きいほど横傾斜モーメントの値が大きくなることが分かった。従って,何等かの外乱によって艇が横傾斜すると,更に艇を傾斜させる方向のモーメントが作用するため,高速航行時における横不安定現象が生じるものと考えられる。
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Research Products
(1 results)