1993 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
05452317
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
大久保 誠介 東京大学, 工学部, 教授 (90092155)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
秋山 政雄 東京大学, 工学部, 助手 (00011172)
福井 勝則 東京大学, 工学部, 助教授 (70251361)
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Keywords | 岩石 / 湿分 / クリープ / 時間依存性 / 構成方程式 / 加速試験 / 数値シミュレーション |
Research Abstract |
本研究では、まず、気乾状態と湿潤状態でのクリープ試験を行い、クリープ寿命を支配するパラメータに関して検討した。さらに、気乾状態と湿潤状態とでのクリープ曲線を比較・検討するとともに、その結果を踏まえて、以前に提案した構成方程式が、湿潤状態でのクリープ試験に適用可能かどうかについても検討した。 具体的に述べると、本研究では、三城目安山岩を用いて300回近いクリープ試験を行い、気乾状態と湿潤状態でのクリープ挙動に差異がないかどうかを検討した。その結果、クリープ寿命は、一軸圧縮強度とクリープ応力との差により決定できることがわかった。したがって、それぞれの環境下での一軸圧縮強度を基準として応力レベルを同一に選んだとき、湿潤状態での寿命が相当に短くなる。この事実が現場にも適用できるとしたら、湿潤状態の岩盤中に設けられる岩盤内空間では、安全率を気乾状態のそれより大きく見込んで設計する必要がある。 また、構成方程式を用いた計算機シミュレーションの結果と、実験結果を合わせ検討したところ、気乾状態でも湿潤状態でも、試験片の変形や破壊の機構はさほど変わらず、ただ単に湿潤状態での現象の進行が何らかの原因で加速されている可能性が高いことがわかった。
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