1993 Fiscal Year Annual Research Report
離島における渓流を水源とする雨水の高度利用に関する研究
Project/Area Number |
05452327
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Research Institution | University of Miyazaki |
Principal Investigator |
秋吉 康弘 宮崎大学, 農学部, 助教授 (30041031)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
細山田 健三 宮崎大学, 農学部, 教授 (10040833)
山本 光男 明治大学, 農学部, 教授 (70015618)
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Keywords | 渓流取水 / 水資源開発 / 離島 |
Research Abstract |
本研究の対象地を長崎県北松浦郡小値賀町野崎島に定めて、離島や小さな渓流を水源とする雨水の高度利用に関する研究を試みた。まず、初年度は、本調査地区の建設予定である野首ダム施工地点、および集水可能な流域を踏査しながら、渓流取水工を施工するために最適な個所36地点を決定した。つぎに、各渓流施工地点での地形、形状、植生等を調査したり、現地を測量して、必要水量を確保するための小渓流での取水工のタイプや大きさを決定するための基礎的なデータを取得した。その後、各渓流における渓流取水構造物のタイプを流域面積や斜面勾配、渓流の規模等を考慮しながら比較検討し、36個所での渓流取水工の構造諸元を決定した。この結果、離島や小さな島での水資源開発の重要性や困難さを痛感した。従来の比較的大きな渓流取水工の設計の基本的な概念では必要水量の確保は困難なことが分かった。年間降水量が少なく、流域も小さな島では、通常渓流に流水がある所においては取水が可能な限りの水量を集水し、普段渓流に流水がなくても洪水時に流水が認められる痕跡の個所では渓流取水工を設置して、できる限りの集水を行うこととした。また、伏流水の集水には、渓流取水工と地下ダムとを結合した新しい工法を考え、渓流全幅からの集水には、導流壁や土水路を加味した工法、また、渓流が岩で形成されているところでは、貯水池と渓流取水工とを抱き合わせた新しい取水構造物を考案し対処することとした。これら新しい工法の構造諸元については、来年度検討する予定である。
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