1993 Fiscal Year Annual Research Report
杉,桧樹皮廃材コンポスト化素材の水耕裁培用ベッドへの適応性の研究
Project/Area Number |
05452332
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Research Institution | Shimane University |
Principal Investigator |
岩尾 俊男 島根大学, 農学部, 教授 (70032547)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
藤浦 建史 島根大学, 農学部, 教授 (00026585)
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Keywords | 杉,桧樹皮廃材 / 水耕栽培用ベッド / 吸入特性 / 成分分析 / 乾操特性 |
Research Abstract |
この研究は,杉,桧の廃棄樹皮の水耕用ベッドの実用化を計るため,ベッドの製作とその物理特性,これを用いた栽培及びベッド成分の分析に関する研究を進めることにより,新素材ベッドの利用技術の開発を行う。 この年度の研究は,杉,桧樹皮ベッドについての成分分析,ベッドの物理特性(乾燥、通気、吸水特性,三相比率等)明らかにした。 主な実験結果は次の通りである。 1.成分分析については,杉,桧樹皮廃材から,ベンセン,エタノール抽出物が抽出され,IR,UVスペクトル及びガスクロマトグラフィーによる分析から,フエノール性成分,タンニン類及び精油類の含有が明らかになった。この中で精油成分がベッドへの水の吸水を阻害するものと考えられる。 2.物理特性について (1)精油成分を含むベッドの吸水特性の改善方法として,ベッドの長時間の浸水の必要性が明らかとなった。 (2)乾燥状態におけるベッドの固相率は,23%,気相率は77%である。 (3)浸水状態にの水分の平衡状態における三相比率の固相,気相,液相率は,それぞれ23,27,50%である。 (4)樹皮ベッド材の保水性は,繊維の方向により左右される。 (5)乾燥特性においては,液相率は経過時間の初期には急激に低下するがその後ほぼ一定となる。これはべッド内では毛管現象による水の蒸散の小さいことによるものである。この特性は,杉,桧材ベッドの特性と考えられる。
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