1993 Fiscal Year Annual Research Report
メンタルモデルの外在化に基づく問題解決ワークベンチシステム
Project/Area Number |
05452348
|
Research Institution | Tokyo University of Science |
Principal Investigator |
伊藤 紘二 東京理科大学, 基礎工学部・電子応用工学科, 教授 (20013683)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
伊丹 誠 東京理科大学, 基礎工学部・電子応用工学科, 講師 (70212983)
|
Keywords | 対話的学習環境 / 問題解決支援 / メディアメタファ表現 / ハイブリッド推論 / 知識ベース / ワークベンチシステム / 発見的学習 |
Research Abstract |
一般に、問題解決は、(1)問題を記述するのに使う認識の型を発見し、(2)問題記述の中にサブゴール仮説を発見する、(3)ついで、既知の汎化知識のなかに優先度を見いだして適用、あるいは支持事例を発見することによる検証を試み、そのなかで副問題に出会う、という再起的な段階を踏む。然るに、人間の思考は、その環境に深く埋め込まれていて、思考対象の環境ないしそのメタファ表現を知覚運動的に操作することなしには、思考ができない。本年度は、学習者の問題解決を支援するワークベンチCAFEKSの全面的見直しとして、やり直しの自由度を広げ、問題記述の変更による影響を伝搬させる仕組を実現した。一方、上述の視点に立ち、知識ベースによる制御の枠内で、学習者自ら具体化して操作できるようなメタファ表現として問題を記述するための汎用の素材としての原型を抽出し、一部をインプリメントした。さらに、問題記述図表現を、条件を満たすように変形したり、満たされた条件を維持しながら変形することによってサブゴールを発見するのを支援する仕組、知識と問題記述の図表現における対応をつけることで適用を試みることのできる仕組を開発した。 ところが、研究の進展につれて、立ち入った支援のための対話を成立させるためには、システム自身が、学習者とともに、メディアメタファ表現を作り、操作し、発見することが出来なけれはならないことが明らかとなってきた。heterogeneous reasoning の考え方を参考にして、そのような可能性を追及した結果、本年度は、システムに図的表現に対応する数式ないしデータ構造による汎化表現と、焦点を当てるべき見方を集めた焦点レパートリーとを持たせ、問題記述表現を、焦点レパートリに基づいた汎化表現のインスタンス化と問題記述表現の摂動によって常に監視し、サブゴールの発見を可能にする仕組を見いだすことが出来た。この仕組みのインプリメンテーションは、次年度以降の課題である。
|
-
[Publications] 伊藤,伊丹,石田,平野,鳥飼: "メディアメタファ表現の操作環による学習支援" 1993年度人工知能学会全国大会論文集. 20-4. (1993)
-
[Publications] 伊藤: "メディアメタファと知識ベースの結合による学習支援ツール" 日本教育工学会第9回全国大会論文集. (1993)
-
[Publications] 伊藤: "教育-コンピュータは教えることができるか-" テレビジョン学会誌. 47. 1444-1446 (1993)
-
[Publications] 伊藤,伊丹,府川,村松,榎本: "A Workbench System for Novice Prolog Programmers:" IEICE Trans.E77-D. (1994)
-
[Publications] 平野,山形,伊丹,伊藤: "初等幾何問題の記述を解決を図的に支援するシステム" 電子情報通信学会教育工学研究会技術報告. (1994)
-
[Publications] 石田,山本,伊丹、伊藤: "学習支援環境(AFEKSの開発-知識の図的適用ついて" 1994年度電子情報通信学会春季全国大会論文集. (1994)