1993 Fiscal Year Annual Research Report
超音速原子流による原子法レーザー同位体分離の高効率化
Project/Area Number |
05452388
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Research Institution | University of Fukui |
Principal Investigator |
仁木 秀明 福井大学, 工学部, 助教授 (00135758)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
北嶋 巌 福井大学, 工学部, 教授 (80020238)
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Keywords | レーザー同位体分離 / レーザー蒸気生成 / 断熱膨張 |
Research Abstract |
QスイッチNd:YAGレーザー光を、真空中に設置した金属試料(ガドリニウム等)に集光照射することにより蒸気発生実験を行い、蒸気ビームの指向性について調べた。その結果、以下のような基本的特性が明らかになった。 1.レーザー光は試料板に対して、主として斜め45度から照射したが、蒸気ビームはレーザー光の入射角に関係なく、試料面に垂直方向に強い指向性を示した。 2.蒸気ビームの発散角は、例えば、ガドリニウム試料で10度以下と非常に鋭い指向性が得られた。 3.蒸気生成は比較的低いレーザーパワー密度(1.0J/cm^2程度)から、急激に増大した。 当初計画したレーザー生成蒸気原子の内部エネルギーについての評価は、平成6年度にずれ込むが、レーザー同位体分離の観点から、得られた蒸気ビーム特性を評価すると以下のようになる。 1.蒸気ビームの方向がレーザー照射方向に依存しないことから、レーザー照射方向を適当に選ぶことにより、光学系の蒸気による損傷から逃れられる。 2.蒸気ビームの指向性が鋭いことから、濃縮用レーザーを効率よく蒸気に照射することができる。また、希ガス等のキャリアガスを用いなくても、レーザー生成蒸気自体が断熱膨張により冷却されている可能性がある。 平成6年度は断熱膨張による冷却効果を調べるため、色素レーザによるレーザー誘起蛍光法を用いて、ガドリニウム原子の基底状態および準安定状態の分布密度を明らかにする。
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