1993 Fiscal Year Annual Research Report
ダイバータ模擬試験装置を用いた新しいヘリウム灰排出法の研究
Project/Area Number |
05452393
|
Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
上杉 喜彦 名古屋大学, 工学部, 助教授 (90213339)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
大野 哲靖 名古屋大学, 工学部, 助手 (60203890)
高村 秀一 名古屋大学, 工学部, 教授 (40023254)
|
Keywords | ヘリウム灰 / ダイバータバイアス / リミタバイアス / 分極ドリフト / 磁場を横切る拡散 / 径電場 / リサイクリング制御 |
Research Abstract |
(1)磁場に垂直方向の分極ドリフトを誘起するためには、磁場に垂直な振動電場を励起する必要がある。我々は、ダイバータバイアスあるいはリミタバイアス等の電極バイアス法により径方向の振動電場をスクレイプオフ領域(SOL)に誘起する手法を検討し、小型のトカマク装置において、周波数10kHzから80kHzにわたる交流リミタバイアス実験を行いプローブ測定から振動電場形成過程を明らかにしつつある。 (2)クーロン衝突を考慮した単一荷電粒子の運動方程式を用いた粒子シミュレーションにより、テスト粒子としてのヘリウム粒子の拡散過程を評価した。その結果、コヒーレントな振動電場により誘起される分極ドリフト運動は、クーロン衝突過程によりランダム化されず、結果として拡散過程はクーロン衝突に基づく古典拡散過程からの変化は小さい。ここで、外部から加える振動バイアス電圧の位相をある時刻間隔でランダムに変化させることにより、分極ドリフト運動にランダム性を持たせることが可能となる。数値計算の結果、分極ドリフトの半周期の寄数倍の周期で位相をランダム化することにより、磁場を横切る拡散の特徴的ステップ幅を分極ドリフト幅とすることができ、古典拡散に比べて約5倍程度拡散を増大させることが明らかになった。しかしながら、ヘリウム選択排気につながる拡散の質量依存性は、質量の増加と共に増大するものの分極ドリフトから予測されるものより弱く今後の検討課題として残されている。 (3)今年度新規に購入したターボ分子ポンプを用いた差動排気の準備を進め、ダイバータ板における粒子反射がヘリウムを含む粒子リサイクリング過程におよぼす効果を明らかにするための実験を現在準備している。
|
-
[Publications] S.Sasaki: "Temporal behavior of electron density profile during limiter biasing in HYBTOK-II tokamak" Physics of Plasma(in print).
-
[Publications] Y.Uesugi: "Formation of Oscillating Perpendicular Electric Field by AC Limiter Biasing on HYBTOK-II Tokamak" A Collection of Papers Presented at the IAEA TCM on Res.Using Small Tokamaks(in print).