1995 Fiscal Year Annual Research Report
南北両極域氷床への各種気候・環境示標物質の堆積フラックスの復元
Project/Area Number |
05452401
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Research Institution | National Institute of Polar Research |
Principal Investigator |
渡辺 興亜 国立極地研究所, 北極圏環境研究センター, 教授 (60111861)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
佐藤 和秀 長岡工業高等専門学校, 土木工学科, 教授 (80113398)
古川 晶雄 国立極地研究所, 研究系, 助手 (70261120)
本山 秀明 国立極地研究所, 研究系, 助手 (20210099)
神山 幸吉 国立極地研究所, 研究系, 助教授 (70135507)
藤井 理行 国立極地研究所, 研究系, 教授 (20125214)
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Keywords | 降雪化学 / 硝酸 / フラックス / 空間分布 / 時間変動 / 両極比較 / コア年代 / 測定法の検討 |
Research Abstract |
「現在」の気候および環境状況下における南北両極域氷床雪氷堆積層への諸物質の堆積状況の解明については、「現在の地球環境下」での雪氷層への堆積状況について調査検討をくわえ、降雪による供給と霜による供給で堆積状況が大きく異なることがわかった。 「南北両極での雪氷コアの対比解析」については、従来より解析されている南極域でのコア解析に対して北極域では堆積後の変態に関して地域差が大きい。この事実を明確にするため解析の方法論の検討を実施し報告書に纏めた。また初年度で購入した化学特性モニタリング装置について運用結果を報告書として纏め、効率的なコア解析手法の一つとして位置付けた。 「南極氷床の特定流域の各種物質の降下量フラックス分布」 東南極大陸、クイーンモードランド地域の白瀬氷河流域をモデル地域として、各種物質の堆積フラックス量の地域特性を明らかにすることができた。特に南極内陸部についての成層圏起源物質及び移流物質の降下過程に着目し、成層圏経由物質の産状と堆積量分布の傾向とその変動について検討するとともに、内陸部で雪氷コアのECM測定を実施し火山起源物質の降下を確認した。 「雪氷コアの対比解析に関する基礎的検討」 南極域及び北極域から得られた雪氷コア及び表面積雪層試料の分析・解析結果のデータ・ベース化を押し進めた。データ・ベースの研究者間での標準化・共有化作業を開始したが、作業の過程で問題が生じた場合には柔軟に対応したい。
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[Publications] 神山孝吉: "現場運用を主体とした極域積雪試料の化学的解析手法について" 南極資料. 38. 30-40 (1994)
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[Publications] 神山孝吉: "南極内陸氷床上へ降下・堆積する物質について" 南極資料. 38. 232-242 (1994)
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[Publications] Kamiyama,K.: "Distribution of hydogen peroxide in surface snow over Antarctic ice sheet" Atmospheric Environment. 30. 967-972 (1996)
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[Publications] 渡辺興亜: "北極域におけるわが国の雪氷圏環境変動研究" 雪氷(日本雪氷学会誌). 57-4. 216-234 (1995)
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[Publications] Watanabe,O.: "Historical Records of fatty acid in an ice core from site J,Greenland" Proceedings of the NIPR symposium on Polar Meteorology and Glaciology. 1-11 (1995)
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[Publications] Watanabe,O.: "Increase in the atmospheric nitrous oxide concentration during the last 250 years" Geophysical Res.Letters. 22-21. 2921-2924 (1995)
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[Publications] 渡辺興亜: "講座「文明と環境」第1巻地球と文明の周期" 氷の中の周期性, 266 (1995)
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[Publications] Watanabe,O.: "Scientific Results from Antarctic Walk Environmental Res. Expedition 1991-1993." On the chemical composition of freshly fallen and drifting snow samples obtained between the Ice Shelf and the South Pole, 95-108 (1995)