1993 Fiscal Year Annual Research Report
被写体運動によるX線CT再構成画像に生じるアーチファクトの研究
Project/Area Number |
05452408
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
佐藤 俊輔 大阪大学, 基礎工学部, 教授 (60014015)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
張 碧林 大阪大学, 基礎工学部, 助手 (90236836)
土居 伸二 大阪大学, 基礎工学部, 助手 (50217600)
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Keywords | 被写体運動 / 平行投影 / 点源 / モーションアーチファクト / サイクロイド |
Research Abstract |
モーションアーチファクトの理論的解析を行った.まず移動する被写体を想定した被写体検出器-装置モデルを本件級で購入したワークステーション上に具現化した. 点または直線被写体がスキャン中心に対して回転運動をする場合に発生するモーションアーチファクトを計算機シミュレーションによって解析した.まず点源をスキャン中心に一定半径,一定速度で回転させるとき,それによる再構成像(ぶれ像)は内(外)サイクロイドと呼ばれる平面曲線を描くことがわかった.その形状を数式的に与えることも可能である.この結果,実際のCT像に,被写体の動きによって“弧"あるいは“尖点"などのアーチファクトが発生する.特に尖点状アーチファクトは弧などのそれに比べて著しく濃度(階調)が高いことがわかった.回転する点源について生じるアーチファクトをもとに,回転する剛体の再構成像に生じるアーチファクトを得ることができた.それはストロボスコープ像と呼ばれ,現実の超高速X線CT装置で観測されるアーチファクトの一種であることが判明した.この医学臨床でしばしば診断を混乱させるアーチファクトがストロボスコピック像であることが判明したのは大きな成果である. また,直進する点源に対して生じるアーチファクトについても解析した. 被写体の動き(速度,変位,方向等)をパラメータとするアーチファクトの発生状態,形状の体系化がある程度進展した.しかし,現在は平行投影で考察しており,われわれの問題を市販のスキャナーで使われている扇状投影方式の場合に変更する必要がある. 本研究により,アーチファクトの形状は,被写体の動きの方向や初期位置に大きく影響される.また異なる2つの点源の動きが同一のアーチファクトを与えることも判明した. 以上の結果により,画像上のアーチファクトから逆に被写体運動に関する情報も得られる.
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[Publications] 譚玉峰,佐藤俊輔: "新しいART反復解法の提案および種々の方法間の性能比較" Med.Imag.Tech.11. 143-153 (1993)
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[Publications] 坂本隆,佐藤俊輔: "動く被写体のCT画像に生ずるアーチファクトについて" JAMIT'92研究報告. 48-53 (1993)
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[Publications] 坂本隆,佐藤俊輔: "X線CTにおける被写体回転による画像劣化とストロボスコープ像" 電子情報通信学会論文誌D-II. J-76D-II. 184-190 (1993)
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[Publications] 坂本隆,佐藤俊輔: "被写体回転によるX線CT画像のぶれ -点源を被写体断層とする場合-" 電子情報通信学会論文誌D-II. J-76D-II. 747-754 (1993)
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[Publications] 譚玉峰,佐藤俊輔,土居伸二: "ART画像再構成におけるKaczmarzの解法について" 電子情報通信学会論文誌D-II. J-76D-II. 191-198 (1993)
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[Publications] 肖瑞亭,佐藤俊輔,宇山親雄,中村尚司: "コンプトン散乱X線トモグラフィの実用化のための基礎的検討" 医用画像工学会. 1.1-1.8 (1994)
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[Publications] 金山直博,佐藤俊輔,宇山親雄,浜田星紀,高宮誠: "X線CT画像に基づく大動脈弓部の血管走行の決定と3次元表示" 医用画像工学会. 7.1-7.8 (1994)
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[Publications] 佐藤俊輔: "非破壊検査(数理情報科学事典)" 朝倉書店, 4 (1993)