1993 Fiscal Year Annual Research Report
固相に特異的な化学発光における発熱量と熱力学パラメターの測定
Project/Area Number |
05453022
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Research Institution | Okayama University |
Principal Investigator |
木村 勝 岡山大学, 理学部, 助教授 (30033442)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
岡本 秀毅 岡山大学, 理学部, 助手 (30204043)
佐竹 恭介 岡山大学, 理学部, 助教授 (50033387)
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Keywords | 化学発光 / 光化学 / バイプレンマー / ロフィンペルオキシド / 有機固体化学 |
Research Abstract |
平成5年度の計画におけるバイプレンマー類(9,10-アルコキシカルボニルアントラセン等)1、ロフィンペロオキシド類2の合成、1の固相の熱力学パラメターの収集、1の化学発光の測定は予定通り完了した。電子移動、エネルギー移動効率を決める条件を明らかにするために、光と熱により生成物の励起状態を生じるベンゼンとアレンのバイプレンマー1を使い次の事を明らかにしてきた。励起状態エネルギー面に起きる問題をMichlモデルをエネルギー障壁の大小の問題に置き換えて考えるとうまく説明できることを明らかにした。またロフィン系化学発光系2を使い基底状態エネルギー面から励起状態エネルギー面への移動効率が電子移動効率に深く係わっていることを明らかにした。1の固相の化学発光の特異性に着目し逆[4+4]付加反応を効率よく起こす条件を洗い出している。IRレーザーによる多光子吸収により固体中で化学発光することと合わせて基底状態エネルギー面から励起状態エネルギー面への変化についてMichlモデルを使いポテンシャル面上に生じるエネルギー障壁の大小がいかに決まるかを明らかにしつつある。1を通じて光及び熱反応の断熱課程、非断熱課程の実態に迫り化学発光の本質を見極めつつある。光化学としてはアゼピン環合成、トロポン環の重水素化等に応用しその有用性を明らかにした。固体の関わる光反応、化学発光に関して著書"有機固体化学にまとめた。
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Research Products
(5 results)
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[Publications] 木村勝: "Maximization of Chemiluminescence Efficiency of 1,4,5-Triarylhydroperoxy-4H-isoimidazoles" Chem.Lett.505-508 (1993)
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[Publications] 木村勝: "Isolation of (η^5-Cyclopentadienyl)(1,2,3,4,5-η^5-exo-methoxy-7-oxo-2,4-cycloheptadienyl)-ruthenium(II)" Bull.Chem.Soc.Jpn. 66. 3120-3123 (1993)
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[Publications] 岡本秀毅: "Synthesis and Adiabatic Photochemistry of 1,4-Difluorobenzene-Naphthalene Biplanemer" Bull.Chem.Soc.Jpn. 66. 2436-2439 (1993)
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[Publications] 佐竹恭介: "The Synthesis of 3H-Azepines:Thermal Reorganization of 2,4-and 3,5-Di-t-Buthyl-3H-Azepines" Heterocycles. 38. 0000-0000 (1994)
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[Publications] 木村勝編著: "有機固体化学" 三共出版株式会社, 160 (1993)