1994 Fiscal Year Annual Research Report
C_<60>分子の超電導性機能解明を指向した非平面型縮合芳香族系の合成研究
Project/Area Number |
05453036
|
Research Institution | Osaka Prefecture University |
Principal Investigator |
山本 浩司 大阪府立大学, 総合科学部, 教授 (80029438)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
松原 浩 大阪府立大学, 総合科学部, 助手 (20239073)
|
Keywords | 縮合芳香族化合物 / 非平面型分子 / 歪み化合物 / フラーレン |
Research Abstract |
球状炭素単体群であるフラーレン分子は、球状電子構造にもとづく特異な反応性と性質をもつことから、新規機能材料としての利用が期待されている。また、これらのフラーレン類は、いずれもサ-キュレン分子より成り立っていることから、種々の非平面型サ-キュレンを合成しその性質を調べることは、フラーレンのもつ特異な機能を解明する上で大変重要である。 1.[7]サ-キュレンの簡易合成 [7]サ-キュレンはチューブ型フラーレンやランセ状フラーレンの内曲面の構成単位となることから、この分子を合成し、その性質を調べることは、フラーレンのもつ特異な性質や機能を解明するために必要である。これまでに報告した[7]サ-キュレンの合成法は、その合成段階が大変長いため多量に合成することは困難である。このため本研究では、中間に架橋ヘキサヘリセンを経る全く新しい合成法を用いた[7]サ-キュレンの簡易合成法を開発した。従来の方法に比べ、合成経路が半分以下となり、全収率も50倍高まり、[7]サ-キュレンの反応性や諸物性を詳細に検討することが可能となった。 2.ヘプタ[5][5]サ-キュレンの合成 分子内に[5]サ-キュレン骨格を二重にもつ[5][5]サ-キュレンの合成法開発を目指して、まず、これよりもベンゼン環が2個少ないヘプタ[5][5]サ-キュレンの合成に成功した。この分子は、C_<70>フラーレンの部分構造となるもので、この諸性質を調べることにより、C_<70>分子のもつ特異な機能を解明することが期待できる。また、今後はこの合成法を利用して、母体となる[5][5]サ-キュレンの合成を検討していく計画である。
|
-
[Publications] Koji Yamamoto: "Extended Systems of Closed Helicene.Synthesis and Characterization of [7]-and[7.7]Circulene" Pure Appl.Chem.65. 157-163 (1993)
-
[Publications] Masahiko Iyoda: "Synthesis and Properties of a Bisdehydro[14]annuleno[c]furan and an Ortho-Annelated Tetrakisdehydro[14]annulene" Bull.Chem.Soc.Jpn.67. 778-791 (1994)
-
[Publications] Hiroyuki Higuchi: "Synthesis and Properties of Methano-Bridged Dichlorodidehydro-[16]-,[20]-,and-[24]-annulenones" J.Chem.Soc.,Perkin Trans.I. 1453-1468 (1994)
-
[Publications] Koji Yamamoto: "Synthesis of Nonplanar Circulenes Featuring a Structural Motif in Carbon Cluster" J.Syn.Org.Chem.Jpn.53(in press). (1995)
-
[Publications] Koji Yamamoto: "A Convenient Synthesis of [7]Circulene" J.Chem.Soc.,Chem.Commun.(in press). (1995)