1994 Fiscal Year Annual Research Report
カルボン酸アリールメチル・ジアリールメチルの光開裂反応の研究
Project/Area Number |
05453037
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Research Institution | Toho University |
Principal Investigator |
岩村 道子 東邦大学, 理学部, 教授 (90057597)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
古田 寿昭 東邦大学, 理学部, 講師 (90231571)
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Keywords | ジアリールメチルエステル / 光開裂反応 / ジアリールメチルラジカル / 酸素捕捉 / 保護基 / Caged基 / Caged-cAMP |
Research Abstract |
1 フェニル酢酸ジアリールメチルの光分解反応とジアリールメタンから発生させたジアリールメチラジカルの酸素捕捉反応との比較をおこなった。ケトンの生成量とジアリールメチル基の構造との間には、いずれの反応でも同様の相関がみられたことから、光分解反応でのケトン生成はジアリールメチルラジカルの安定性、立体的な嵩高さに大きく影響されることが明らかになった。この研究によりフェニル酢酸3,4-ベンゾフルオレニルが、非常に高効率でケトンを与えることが見いだされた。更に、分子軌道計算によりラジカルの安定性、立体的構造などを考察した。 2 α-(2-ナフチル)ベンジルおよび3,4-ベンゾフルオレニルエステルをカルボン酸より1つの炭素の少ないケトン、アルデヒドの合成、ラジカル的環形成反応に応用する試みは現在のところ成功していない。 3 エステルのα-開裂はMSでしばしば観察される。しかし、ジアリールメチルエステルのMSにはβ-開裂により開始されるフラグメンテーションのみが観測され、これらのエステルでのO-CO結合が切断されにくいことが示され、β-開裂による光分解反応機構の証拠の一つとなった。 4 (1-ピレニル)メチル基によるアミノ基、リン酸基の保護の方法を確立し、この方法を用いて種々保護基をアミノ酸、ペプチド、リン酸、cAMPに導入し、光照射による脱保護について検討した。この中から、水溶性、細胞に対する障害作用などの点で生体系へ応用に適したシンナモイル基、4-クマリニルメチル基を選びだし、caged基としてLeu-Leu-OMe、cAMPに導入、in vitroでの光分解についての検討をおこなった。
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Research Products
(4 results)
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[Publications] Kawakami,J.: "Intramolecular Fluorescence Quenching and Exciplex Formation in ω-(1-Pyrenyl)alkyl p-Cyanobenzoates." J.Phyo.Org.Chem.,. 7. 31-42 (1994)
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[Publications] Furuta,T.: "Stereodivergent Synthesis of Two Diastereoisomeric Enoates by Asymmetric Horner-Wadsworth-Emmons Reaction using a Single Chiral Auxiliary." J.Chem.Soc.,Chem.Commun.2167-2168 (1994)
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[Publications] Takayama,M.: "Formation of M^+Ions under Matrix Fast Atom Bombardment Conditions:Does Charge Exchange Reaction Occur?" Org.Mass.Spectrom.29. 601-606 (1994)
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[Publications] Okada,S.: "(1-Pyrenyl)methyl Carbamates for Fluorescent'Caged'Amino Acids and Peptides." Photo chem.and Photobiol.(in press). (1995)