1993 Fiscal Year Annual Research Report
テクネチウムおよびレニウム錯体の配位子置換反応機構
Project/Area Number |
05453041
|
Research Institution | Shizuoka University |
Principal Investigator |
大森 巍 静岡大学, 理学部, 教授 (80004349)
|
Keywords | テクネチウム / レニウム / 過テクネチウム酸 / トリス(1,10-フェナントロリン)鉄(II) / フリルジオキシム / 分光光度定量 / 酸解離定数 |
Research Abstract |
1.テクネチウムの分光光度法による定量 従来提案されている過テクネチウム酸を配位子共存下で還元して目的錯体を合成して,分光光度定量をする方法ではなく,最も安定な過テクネチウム酸のままで分光光度定量する方法として,トリス(1,10-フェナントロリン)鉄(II)錯体を利用し,これと過テクネチウム酸イオンとのイオン対をニトロベンゼンに抽出し,有機相の吸光度を測定する方法を確立した。この方法により1×10^<-6>Mまでのテクネチウムを定量することが可能となった。 2.レニウム-フリルジオキシム錯体によるレニウムの分光光度定量 0.7M塩酸溶液中において過レニウム酸をフリルジオキシム共存下で塩化スズ(II)により還元し,レニウム-フリルジオキシム錯体を生成させた。この錯体の530nmにおける吸光度を測定することにより,1×10^<-6>Mまでのレニウムの分光光度定量が可能となった。またこの錯体はクロロホルムに抽出されることも見出された。 3.過テクネチウム酸の酸解離定数の決定 これまで正確な値が報告されていない過テクネチウム酸の酸解離定数をテトラフェニルアルソニウム塩溶媒抽出法により求めるための最適条件を検討した。従来有機溶媒として用いられているクロロホルムに代わる溶媒として,種々検討した結果50%(V/V)クロロフォルム-50%(V/V)n-ヘキサンを用いれば,過テクネチウム酸の分配比を目的の条件に整えることが可能であることが分かり,現在過テクネチウム酸の分配比を求めるべく,準備している。
|