1994 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
05453061
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Research Institution | University of Tsukuba |
Principal Investigator |
安藤 亘 筑波大学, 化学系, 教授 (30008429)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
崔 奈美 筑波大学, 化学系, 助手 (30251036)
加部 義夫 筑波大学, 化学系, 講師 (40214506)
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Keywords | ビシクロ[1.1.1]ペンタン / トリチアジシラビシクロ[1.1.1]ペンタン / ヘキサチアジシラビシクロ[3.2.1]オクタン |
Research Abstract |
ビシクロ〔1.1.1〕ペンタンの架橋原子を電気陰性度の大きい元素に置換すると、橋頭位原子間に結合がないにもかかわらず、原子間距離が単結合と同程度に短くなり、その構造は対応する〔1.1.1〕プロペランに極端に近づくことが予測されている。トリス(トリメチルシリル)メチル基(Tsi基、トリシル基)をケイ素上に有するトリヒドロシランと単体硫黄の反応は、(TsiSi)_2S_6(2-Si-S6)、(TsiSi)_2S_5(2-Si-S5)、(TsiSi)_2S_4(2-Si-S4)を得ることができた。これらの構造はX線結晶構造解析によりそれぞれヘキサチアジシラビシクロ[3.2.1]オクタン、ペンタチアジシラビシクロ[2.2.1]ヘプタン、テトラチアジシラビシクロ[2.1.1]ヘキサンと決定した。ポリチアジシラビシクロ[1.m.n]アルカンの脱硫反応は、トリフェニルホスフィンにより、(TsiSi)_2S_6より(TsiSi)_2S_5を、(TsiSi)_2S_5は、光照射下、トリフェニルホスフィンにより(TsiSi)_2S_4を与えた。この反応は、光を照射しない場合、ホスフィンが存在しないと全く進行しない。(TsiSi)_2S_4は光照射下、トリメチルホスフィン存在でよりトリチアジシラビシクロ[1.1.1]ペンタン(2-Si-S3)を与える。一方、(TsiSi)_2Se_4及び(TsiGe)_2Se_4は光照射で脱セレンし、それぞれ(TsiSi)_2Se_3(2-Si-Se3)及び(TsiGe)_2Se_3(2-Ge-Se3)を生成した。いずれの場合もその原子間距離が2-Si-S3の場合に通常のケイ素-ケイ素単結合距離にまで近づいていることがわかった。トリカルコゲナジシラビシクロ[1.1.1]ペンタンの非常に短い橋頭位原子間距離は、主として橋頭位原子と架橋原子の電気陰性度の差によるものであり、電気的に陰性な架橋原子間の反発力が、橋頭位原子同士の反発力に勝っているため起こるものと考えられる。
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Research Products
(2 results)
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[Publications] W.Ando,T.Ohtaki,Y.Kabe: "Structure,and Photoreaction of Bis(germanimines)" Organometallics. 13. 434-435 (1994)
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[Publications] N.Choi,W.Ando: "Synthesis and Reactions of a Metallathiacyclopentanone" Organometallics. 13. 741-743 (1994)