1994 Fiscal Year Annual Research Report
光学効果の複合的結合による吸光光度・蛍光光度法の高感度・高選択化と天然水への応用
Project/Area Number |
05453068
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Research Institution | HIROSHIMA UNIVERSITY |
Principal Investigator |
藤原 祺多夫 広島大学, 総合科学部, 教授 (90090521)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
竹田 一彦 広島大学, 総合科学部, 助手 (00236465)
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Keywords | 磁気光学効果 / 熱レンズ効果 / 磁性流体 / 光化学還元 / 分子認識 / 液晶 / 多光子イオン化 / 海水 |
Research Abstract |
レーザー光の特性によって誘起される様々な光学効果を積極的に活用し、さらに他の光学効果との複合的組み合わせにより、新たな分光分析法を開発することを本研究の目的とした。また様々な光学効果を活用したこれらの天然水分析への応用を行った。 1.液晶系における熱レンズ効果:ネマチック液晶中に生ずる熱レンズ効果の焦点特性をデュアルビーム法を用いて検討したが、本年度は液晶の熱電導率、屈折率の温度依存性を具体的に調べ、実測値と理論値の比較、相互検定を行った。この結果液晶の配向軸方向に凹レンズ、その垂直方向に凸レンズとなるような熱レンズについて、その機構の解明を行うことができた。さらに等方的な通常の溶媒系に対して液晶系のような配向性をも津系が、3倍以上の大きさの熱レンズ効果を持つことを示した。 2.磁性流体希釈懸濁液における磁気光学効果をもちいる分子構造認識に関する研究:昨年度に引き続き磁性流体希薄懸濁液に様々な色素を共存させた時に生ずるレーザー蛍光の磁場変化を調べた。この結果蛍光の磁気効果は磁場の大きさに依存し、多環式芳香族のメチルなどの置換体を認識するには、0.5T程度の磁場の印加では、不十分であることが多くの溶媒系で見出された。 3.多光子イオン化(水和電子の発生)過程の天然水への応用:YAGレーザーの第3高調波を天然水に照射することによって、溶存有機物の光誘起特性とくに水和電子発生過程について調べた。この結果水和電子の放出過程は、2段階に分けることができ、それぞれの過程で水和電子の発生をQuenchする物質が異なることを見出した。このほか天然水中の溶存有機窒素の分解に、二酸化チタンを用いる光分解法を検討した。
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Research Products
(7 results)
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[Publications] K.Takeda: "Characteristics on the determination of dissolved organic nitrogen using titanium dioxide mediated photocatalytic degradation." Water Res.29(in press). (1995)
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[Publications] H.Ono: "Thermal lens produced in nematic liquid crystal." Appl.Spectrosc.49(in press). (1995)
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[Publications] Y.Kumamoto: "Photoproduction and quenching of hydrated electrons from dissolved organic matter in natural waters." Bull.Chem.Soc.Jpn.67. 720-727 (1994)
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[Publications] K.Fujiwara: "Diurnal and seasonal distribution of hydrogen peroxide in seawater of the Seto Inland Sea." Geochem.J.27. 103-115 (1993)
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[Publications] K.Fujiwara: "Ozone gas-phase chemiluminescence for silane and its application to the determination of silicate in natural waters." Anal.Chem.65. 1814-1818 (1993)
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[Publications] K.Takeda: "Determination of nitrate in natural waters with the photo-induced conversion of nitrate to nitrite." Anal.Chim.Acta. 276. 25-32 (1993)
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[Publications] K.Fujiwara: "Phosphorus in "Encyclopedia of Analytical Science" ed.by A.Townshend" Academic Press, (1995)