1993 Fiscal Year Annual Research Report
遷移金属クラスター硫化物中でのイオン拡散のダイナミクスに関する研究
Project/Area Number |
05453074
|
Research Institution | Tokyo Institute of Technology |
Principal Investigator |
脇原 將孝 東京工業大学, 工学部, 教授 (20016596)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
生田 博将 東京工業大学, 工学部, 助手 (80242270)
新居 淳二 三重大学, 教育学部, 助教授 (10144221)
|
Keywords | シェブレル相硫化物 / 酸素イオン導電体 / 拡散係数 |
Research Abstract |
本研究では三次元クラスター化合物の一種であるシェブレル相硫化物に酸素を含有させ、200〜300℃で作動する,電子一酸素イオン混合導電体を合成し,各種の酸素フィルターとすることを目的とした。先ず酸素含有銅シェブレル相硫化物を銅シェブレル相硫化物Cu_2MO_6S_<7.8>に空気中300℃で5分〜1時間反応させることにより合成した。酸素含量は反応前後の重量変化から算出した。これによりCu_2MO_6S_<7.8>Oz(Z=0〜2)を合成した。構造内にとり込まれた酸素はESCAにより,新らたにMo-O結合を形成していることがわかったので,ジュネーブ大学のKraus Yvon教授と共同で,中性子回折により,その酸素位置を決定した。酸素は3回回反軸上の不定比硫黄欠陥位置を占めた後,クラスター間の空孔子サイトをランダムに占有することが明らかになった。また熱重量分析装置により,酸素含有に伴う酸素イオンの拡散係数を200〜300℃の一定温度において,ワグナー法を用いて算出した。その結果10^<-13>〜10^<-14>cm^2/sの化学拡散係数の値を得た。そして硫黄欠陥量が構造内で増加するにつれ,拡散係数の値が増加することを見出した。また酸素含有シェブレル相硫化物の電導度は5×10^<-1>S・cm^<-1>となり,酸素含有にともなって急激に電導度が減少することが確認された。
|
Research Products
(2 results)
-
[Publications] 脇原將孝 ら: "銅シェブレル相硫化物中での酸素イオン拡散係数" 熱測定. (印刷中).
-
[Publications] M.Wakihara et al.,: "Location of Oxygen in Cu_<2.13>MO_6S_<8-X> by Neutron Diffraction." Neutronenstreuung Annual Prog.Pep.1993. LNS-170. 86-86 (1993)