1993 Fiscal Year Annual Research Report
化学修飾されたゲル膜の光分解による機能性薄膜の作製と特性評価
Project/Area Number |
05453081
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Research Institution | Kinki University |
Principal Investigator |
峠 登 近畿大学, 理工学部, 教授 (00081315)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
忠永 清治 大阪府立大学, 工学部, 助手 (90244657)
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Keywords | ゾル-ゲル法 / 化学修飾 / 光分解 / 薄膜 / 微細加工 / ジルコニア / チタニア / 金属アルコキシド |
Research Abstract |
金属アルコキシドを原料とするゾル-ゲル法は、薄膜の作製法として高いポテンシャルを有しているが、金属アルコキシドの反応性が高い、微細加工が困難であるなどの問題点がある。これに対して、金属アルコキシドをbeta-ジケトンで化学修飾すると、プロセスが簡便になると共に、生成するゲル膜の光分解を利用して微細加工できる可能性があることを見いだしている。本研究は、beta-ジケトンによる金属アルコキシドの安定化と、これらから得られるゲル膜への紫外線照射の効果を明らかにし、新しい微細加工法を開発することを目的として行ったものであり、以下のような知見を得た。 (1)アセト酢酸エチルで化学修飾したAl-アルコキシドの構造を^<27>Al NMRで調べ、大部分のAlが6配位状態で存在していることを明らかにした。また、UV測定から、アセト酢酸エチルはゲル化過程ではほとんど加水分解されないことを示した。 (2)アセチルアセトン(AcAc)で修飾したZr-アルコキシド、およびベンゾイルアセトン(BzAc)で修飾したTi-アルコキシドから、それぞれ300nmと350nm付近にpi-pi遷移に起因する吸収を有するげる膜が得られた。これらの吸収に対応する紫外線を照射すると、ゲル膜中のbeta-ジケトンが分解されることを明らかにした。 (3)紫外線照射により、AcAcで修飾したZrO_2ゲル膜では酸に対する、またBZAcで修飾したTiO_2ゲル膜ではアルコールに対する溶解度が減少した。これらは、紫外線照射によってゲル膜の構造が大きく変化していることを示している。 (4)紫外線照射によるゲル膜の特性変化とエッチング処理を組み合わせると、ガラス、金属、シリコンなどの各種基板上に、サブミクロンオーダーの微細パターンを有するZrO_2やTiO_2薄膜を形成できることを明らかにした。
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Research Products
(2 results)
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[Publications] N.Tohge: "Effects of UV-Irradiation on the Formation of Oxide Thin Films from Chemically Modified Metal-Alkoxedes" J.Sol-Gel Sci.Technol.2,(印刷中). (1994)
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[Publications] K.Tadanaga: "Precursor Structure and Hydrolysis-Gelation Process of Al(O-sec-Bu)_3Modified with Ethylacetoacetate" J.Sol-Gel Sci.Technol.2,(印刷中). (1994)