1994 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
05453086
|
Research Institution | TOHOKU UNIVERSITY |
Principal Investigator |
杉本 克久 東北大学, 工学部, 教授 (80005397)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
赤尾 昇 東北大学, 工学部, 助手 (80222503)
原 信義 東北大学, 工学部, 助教授 (40111257)
|
Keywords | 化学気相析出法 / MOCVD / 人工不働態皮膜 / 耐食性 / エリプソメトリー |
Research Abstract |
1.研究目的 ステンレス合金上に生成する不働態皮膜に相当するFe_2O_3-Cr_2O_3-NiO系複合酸化物薄膜を基本とし、これにMoO_2を添加し、またCr_2O_3の一部をTa_2O_5で置換することで、自然には生成しない極めて高耐食性の人工不働態皮膜を合成し、極薄防食被覆を実現すること目的とした。 2.研究成果 (1)Fe_2O_3-Cr_2O_3皮膜へのMoO_2複合化の検討:MoO_2作製の原料としてペンタエトキシモリブデンを用い、Fe_2O_3-Cr_2O_3-MoO_2複合皮膜の作製を試みたが、十分な量のMoO_2を複合化することはできなかった。これは原料の蒸気圧が低く、かつ気相反応が速いために基板上で原料蒸気が枯渇するためであると考えられる。 (2)Fe上に形成した防食被覆の耐食性評価:酸溶液中で高い耐食性を示すことが明らかになったFe_2O_3-Cr_2O_3(Crイオン分率X_<Cr>>0.5)およびFe_2O_3-Cr_2O_3-Ta_2O_5(X_<C1>>0.3,X_<Ta>>0.2)皮膜を純Fe基板上に形成し、1M-H_2SO_4、1M-NaClおよび1M-NaOH溶液中における活性化時間を測定した。いずれの溶液の場合にも、活性化時間は膜厚を増すほど増加し、70〜100nmの範囲内で最大になったのち、それ以上膜厚を増すと逆に減少することが分かった。 (3)皮膜の欠陥評価:電気化学的インピーダンススペクトロスコピーにより種々の組成および膜厚の皮膜のインピーダンスを測定し、皮膜のピンホール欠陥面積率を評価した。その結果、欠陥の発生率は膜厚に依存しており、70〜100nmのときに最小になることが分かった。
|
Research Products
(1 results)