1993 Fiscal Year Annual Research Report
分子的非平衡を用いる熱・光エネルギー変換に関する基礎的研究
Project/Area Number |
05453093
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
新井 紀男 名古屋大学, 高温エネルギー変換研究センター, 教授 (40089842)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
架谷 昌信 名古屋大学, 工学部, 教授 (50021788)
小林 敬幸 名古屋大学, 高温エネルギー変換研究センター, 助手 (90242883)
板谷 義紀 名古屋大学, 工学部, 助手 (50176278)
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Keywords | 非平衡 / 光 / エネルギー変換 / ガスダイナミックレーザー / CO_2 / H_2O / 反転分布 |
Research Abstract |
本研究では、メタン・空気系燃焼を利用するCO_2-ガスダイナミックレーザー(CO_2-GDL)を開発し、その高効率化、高出力化を図ることを目的としている。本研究では、CO_2-GDLのレーザー発振について必要条件である反転分布の発生について理論的検討およびその実験的検討を行った。 メタン燃焼により得られるCO_2およびN_2からなる高温・高圧ガスを超音速ノズルを通して断熱膨張させた状態を想定し、CO_2分子内に緩和時間の差によって回転伸縮モード(001)-(100)準位間に非平衡状態の発生の可能性について理論的検討を行った。その結果、燃焼ガスの条件が1500K、断熱膨張後のガス流速がマッハ5程度を得られれば、非平衡状態を示す反転分布の発生することが確認された。また、反転分布の大きさに及ぼすH2O濃度の影響についても検討を行い、H_2O濃度が大きくなると反転分布状態が得られるノズルからの距離は大きくなるが、反転分布の大きさは小さくなることが明らかとなった。これを実験的に確認するために主に空冷式CO_2レーザー、光学系調整用のHe-Neレーザー、ZnSe窓,MCT赤外検出器,プリアンプおよびデジタルオシロスコープによりなる測定景を用いて反転分布の確認実験を実施した。その結果、レーザー光を入射するとキャビティーを透過し射出されるレーザー光の信号強度は燃焼器内圧力変動とともに周期的に変動した。さらに燃焼器内で火炎が形成されると、信号ノイズはやや大きいために見にくいものの、入射レーザー光が増幅されることが確認され、反転分布が生じることが確認された。
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