1993 Fiscal Year Annual Research Report
レーザー分光法による活性化学種の気液界面過程の解明
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05453097
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
幸田 清一郎 東京大学, 工学部, 教授 (10011107)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
金森 英人 東京工業大学, 理学部, 助教授 (00204545)
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Keywords | 酸性雨 / オゾン層破壊 / 反応吸収 / 気液界面過程 / 適応係数 / 移動現象 / 対向流 / レーザー誘起螢光法 |
Research Abstract |
本研究は、酸性雨やオゾン層の破壊など、また反応吸収を利用したプロセスの諸問題の速度論的な解明には気液界面過程の動力学的な解析が非常に重要であることに鑑み、その基礎的な側面からの検討を目的として、レーザー分光法のもつ高い時間分解能、空間分解能を利用して、界面近傍の活性化学種、例えばNO_2やSO_2の濃度分布を直接的に追跡してその過渡的挙動と適応係数を定めることを目的としている。 本年度は分光学的な追跡手段を実装した対向流法の確立を計ることを目的とした。そのために予備的なシミュレーションを行って装置の設計、試作を行った。現在完成した装置に依って、予備的な検討を開始した。 実験装置は、内径10mm程度の管を低圧力に保った槽の中で上下に向い合わせ、上方の管からNO_2やSO_2を含む気体を流し、下方の管からは純粋な水をオーバーフローさせて両者の間に衝突領域をつくり、気体流に含まれるNO_2やSO_2の水への移行過程に伴ってできる濃度の分布を測定するものである。全体の圧力は気相の拡散を速やかにするため、50Torr前後に保つ。NO_2やSO_2はそれぞれ、色素レーザーを用いたレーザー誘起蛍光法によってモニターできることを確認した。水流の有無、水の中に溶けている共存物質(例えば気相からの溶け込みを有利にすると期待されるヒドロキノンやアルカリ性物質)、流速、また気体流の圧力、流速等に依って、水面上に異なった濃度分布が生成していることが明らかになった。現在、現象の物理的意味を考察し、その速度過程の詳細な解析法の検討を進め、方法の確立を計っているところである。
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Research Products
(1 results)