1993 Fiscal Year Annual Research Report
電解集積化光機能分子組織体による電子移動制御素子の構築
Project/Area Number |
05453120
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
瀬川 浩司 京都大学, 工学部, 助手 (50216511)
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Keywords | 電解重合 / 光機能分子 / 電子移動 / ポルフィリン / 一次元ポリマー / 二次元ポリマー |
Research Abstract |
電子移動媒体として導電性高分子、光機能分子として生体内電子移動で重要な役割を担うポルフィリンを用い、これらの複合化による分子システムを構築し、その物性評価を行なった。具体的には、ポルフィリン環の軸方向ならびに面方向に種々の長さのオリゴチエニル基を導入したポルフィリン誘導体を合成し、さらにこれら機能単位分子を、オリゴチエニル基の電解重合により電気化学的に組織化し、ポルフィリンとオリゴチオフェンが分子レベルで連なった分子組織体を構築し、その電気的特性ならびに光化学的特性について検討した。また、レーザーフラッシュフォトリシスにより時間分解過渡吸収スペクトル測定、時間分解発光スペクトル測定を行ない、機能単位分子ならびに分子組織体におけるポルフィリンの励起状態における挙動を明らかにした。 当初に計画した研究目的に対し、平成5年度の研究計画・方法に基づいて着実に成果をあげつつある。具体的には、導電性高分子上にポルフィリンを電解複合化した分子システムで、顕著な光起電力が発生することを見いだした。また、ポルフィリン環の面方向に種々の長さのオリゴチエニル基を導入したポルフィリンを電気化学的に積層したシステムでは顕著な整流特性が観測された。その電気的特性ならびに光化学的特性について詳細に検討するため、レーザーフラッシュフォトリシスにより時間分解過渡吸収スペクトル測定、時間分解発光スペクトル測定を行ない、機能単位分子ならびに分子組織体におけるポルフィリンの励起状態におけるダイナミックスを明らかにした。さらに重合体の表面のSTM観察により、重合体の2次元秩序配列を明らかにした。
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Research Products
(3 results)
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[Publications] Hiroshi Segawa: "One-dimensional Donor-acceptor Polymer:Phosphorus Porphyrins Linked with Molecular Wire" Synthetic Metals. 55-57. 966-971 (1993)
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[Publications] Takeo Shimidzu: "Functionl Dyes and Their Materializations toward a Molecular Device" Chemistry of Functional Dye. 2. 580-585 (1993)
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[Publications] Takeo Shimidzu: "Functionalizations of Conducting Polymer for Advanced Materials" New Functionality Materials,Volume C. 637-644 (1993)