1994 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
05453124
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Research Institution | TOHOKU UNIVERSITY |
Principal Investigator |
遠藤 忠 東北大学, 工学部, 教授 (30176797)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
滝澤 博胤 東北大学, 素材工学研究所, 助手 (90226960)
島田 昌彦 東北大学, 素材工学研究所, 教授 (80029701)
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Keywords | 有機・無機複合体 / 粘土層間化合物 / インターカレーション / ラングミュア・ブロジェット膜 / ステアリルアミン / 単分子膜 / 累積膜 / 極限配向構造 |
Research Abstract |
「ラングミュア・ブロジェット膜」作製法を利用することによって,高次配向構造をもつ有機・無機ナノ複合体の合成できる可能性を,種々の有機分子などとの組み合わせから検討した。また,極限構造の構築によって光機能などの物性の設計できる可能性を探ることに関する。「ラングミュア・ブロジェット膜」作製法は,インターカレーション法とは異なり,調製条件の設計・制御により,高次な極性構造をもつ有機・無機複合超組織薄膜を実現できるものである。無機物として粘土鉱物を対象に無機と有機との複合化に初めてラングミュア・ブロジェット膜作製法の有効性を明らかにした。粘土の凝集状態の特異性や層構造の示す「水和膨潤性」を利用して,超音波による物理的撹拌などの操作により,(1)粘土の積層する二次元層骨格を完全にばらばらの状態に剥離し,純粋中に分散させた下層溶液を作成,(2)この溶液表面にステアリルアミンなどの棒状単分子を広げ,対いでこれをバリアで圧縮し,疎水基を上部に向けた単分子膜を形成する。つまり,下層溶液の界面にはステアリルアミンの親水基が接し,ここに同溶液内に分散している粘土単位層が静電力によって吸着する形を実現する。(3)この状態で,親水性のスライドガラスなどを基板として垂直に引き入れて引き上げると,この基板上には,有機物と無機物とがナノオーダーで積層し,かつこれを繰り返すと粘土とステアリルアミンとが数十層まで累積できることを世界で初めて明らかにした。
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Research Products
(2 results)
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[Publications] 内田淑文ら: "Langmuir-Blodgett法による高配向粘土-有機物複合体の合成" 粉体および粉末冶金. 41. 1185-1188 (1994)
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[Publications] Tadashi Endo: "Clay-organic nanocomposites in Langmuir-Brodgett multilayer Films" Langmuir. (in press). (1995)