1993 Fiscal Year Annual Research Report
メチルアルコールまたは水共存下におけるアルキル芳香族類のヒドロ脱アルキル化反応
Project/Area Number |
05453128
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
伊藤 博徳 北海道大学, 工学部, 助教授 (70001287)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
福原 彊 北海道大学, 工学部, 助手 (50238507)
米田 徳彦 北海道大学, 工学部, 教授 (50001219)
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Keywords | 脱アルキル化 / メタノール分解水素 / 熱分解 / アルキルベンゼン |
Research Abstract |
アルキルベンゼン類について、常圧水素気流(24ml/min)、高温下(750〜850℃)の流通系反応装置を用いて、メチルアルコールを共存させたヒドロ脱アルキル化反応を検討した。メチルアルコールを共存させる場合には、アルキルベンゼンと、メチルアルコール等重量混合溶液(試料によって4.3〜7.6mmolのアルキルベンゼンと8〜12mmolのメチルアルコールよりなる)を、メチルアルコールを用いない場合にはアルキルベンゼンをマイクロフィーダーによって所定の温度に加熱した石英ガラス製反応管(10mmφ、33mmL)へ1時間で約0.8g送入した。メチルアルコールを用いない反応の場合、エチルベンゼンの反応においてベンゼンの収率が最高であったが、縮合芳香族化合物、炭素(反応後の反応管の重量増加量)もかなり生成した。特にインデン、ナフタレン、フェナントレンの収率が、キシレンを反応させた場合よりも多く生成した。すなわちエチル基および熱分解による炭素2個から成るフラグメントが、縮合芳香族化合物を生成する際に重要な役割を果していることが示唆される。水素とメチルアルコールを共存させた系でエチルベンゼンを反応させると、水素気流下の場合よりもベンゼンの収率が高くなり、縮合芳香族化合物、および炭素の生成が抑制された。しかしキシレン、1,3,5-トリメチルベンゼンを反応させた場合、ベンゼンの収率がエチルベンゼンを反応させた場合よりも低くなり、メチル基は脱離し難いことを示しており、側鎖のエチル基とメチル基の結合エネルギーの相違のためと考えられる。 次年度においては、アルキルフェノール類を試料として、水酸基の存在によって脱アルキル化がどのように影響されるかを検討する予定である。
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