1995 Fiscal Year Annual Research Report
イソカルバサイクリンの新規短段階実用的合成法に関する研究
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05453129
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Research Institution | Okayama University |
Principal Investigator |
斎藤 清機 岡山大学, 工学部, 教授 (60033239)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
石川 彰彦 岡山大学, 工学部, 助手 (10263617)
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Keywords | アシルシラン / 分子内環化 / 光学活性4-TBSO-シクロペンテノン / イソカルバサイクリン / 隣接ジオールコントローラー / 連続クライゼン-エン反応 |
Research Abstract |
(1)平成6年度に見出した4塩化チタンを用いる5-ヘプテノイルシランの新炭素環化反応に関して継続して検討した。検討のポイントは反応に供する基質の効率的合成経路の確立及び反応の適応範囲と限界である。特に,前者についてはアシルシラン等価体として何を採用するかについて検討し,2-トリメチルシリル-1,3-ジチアンを用いる経路を確立した。 (2)平成6年度から継続して,ラセミ体の4-TBSO-シクロペンテノンとキラルなω-側鎖から調製した銅反応剤による鏡像体区別マイケル付加反応の検討を行った。この研究には4-TBSO-シクロペンテン-2-オンの両鏡像体(100%ee)が必要なので,その合成法についても併せて検討を行った。採用した合成経路は4炭素+1炭素結合法によるものであるが,この方法は従来かなりラセミ化を伴うことが報告されている。従って,その点をいかに解決するかが重要であり,この問題解決に向けて隣接ジオールコントローラー戦略を採用した。これは,従来法の大きな問題点である歪みの大きいトランス-ビシクロ[3.3.0]骨格中間体を経由する点を回避するためと,隣接ジオールコントローラーによって反応点の近接効果を意図し,従来法のもう一つの問題点である反応時間の,著しい短縮を可能にしようと計画したものである。その結果,本合成法が実用的レベルで可能であることを見出した。現在,1炭素ユニットとして最適なものを検索中である。 なお,本研究を成果として公表するためには,平成8年度においても引き続き研究を続行する必要があるものと考えている。
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