1993 Fiscal Year Annual Research Report
環状ポリケチドを用いる数種の抗生物質の生合成的有機合成
Project/Area Number |
05453133
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Research Institution | Waseda University |
Principal Investigator |
竜田 邦明 早稲田大学, 大学院・理工学研究科, 教授 (40051627)
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Keywords | マクロリド / ピラノナフトキノン / ポリケチド / オレアンドマイシン / ナフトピラン / アルドール縮合 / グリコシル化 |
Research Abstract |
マクロリド抗生物質およびピラノナフトキノン系抗生物質は、ポリケチドを経て生合成されることが知られているが、いかなる種類のポリケチドがいかにして相当する抗生物質に導かれるかは明らかではない。そこで、本研究は、まず、環状ポリケチドに注目し、従来の1個ずつ不斉炭素を構築する方法と異なり、環状ポリケチドを合成した後、カルボニル基を立体特異的に還元して、一挙にマクロリド抗生物質のアグリコン部分を合成する新しい反応設計を目的とした。つぎに、構成糖の導入により、マクロリド抗生物質を合成するためのグリコシル化を開発した。まず、立体化学が天然物と異なっていても有機合成化学的に容易に得られるセグメントを、D-およびL-ラムノースから合成した後、14員環ラクトンであるオレアンドマイシンのアグリコン部分に相当する中間体を構築した。つぎに、水酸基を酸化して目的の環状ポリケチドに導いた。カルボニル基に隣接するC-メチル基を立体特異定に異性化し、さらに、そのカルボニル基を立体特異的に還元して天然アグリコン部分(オレアンドライド)を合成した。つぎにC-13位以外のC-メチル基をもたない14員環環状ポリケチドを合成するために、その鍵中間体である三環式5-6-7員化合物を4-インダノールから効率よく合成した。さらに、その二重結合をオゾン酸化して目的の環状ポリケチドを得た。また、その分子内アルドール縮合により、ピラノナフトキノン系抗生物質の基本骨格である連続三環式芳香環構造を構築する条件を種々検討した。その結果、抗真菌物質ナフトピラン類の基本骨格が主生成物として得られることが判明した。
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Research Products
(6 results)
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[Publications] Kuniaki Tatsuta: "Synthesis and characterization of a 14-membered polyketide lactone." Tetarahedron Letters. 34. 4957-4960 (1993)
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[Publications] Kuniaki Tatsuta: "Synthetic studies naphthopyrans from a polyketide lactone." Tetarahedron Letters. 34. 4961-4964 (1993)
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[Publications] Kuniaki Tatsuta: "A practical preparation of (Z)-2-(5-amino-1,2,4-thiadiazol-3-yl)-2-(methoxyimino)acetic acid." Tetrahedron Letters. 34. 6423-6426 (1993)
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[Publications] Kuniaki Tatsuta: "Total synthesis of chlorinated phenylpyrrole antibiotics,(+)-and (-)-neopyrrolomycins." Tetrahedron Letters. 34. 8443-8444 (1993)
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[Publications] Kuniaki Tatsuta: "A synthesis and structural confirmation of 3,5-bis(2-alkylimidazol-4-yl)-1,2,4-trithiolanes." Heterocycles. 38. 51-54 (1994)
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[Publications] Kuniaki Tatsuta: "One-step synthesis of a pyroglutamyl peptidase inhibitor,pyrizinostatin,from 2-methylfervenulone." Journal of Antibiotics. 47. 925-926 (1994)