1993 Fiscal Year Annual Research Report
In situ計測用新規分子認識素子の合成と表面の機能化
Project/Area Number |
05453134
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
安斉 順一 東北大学, 薬学部, 助教授 (40159520)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
鈴木 巌 東北大学, 薬学部, 助手 (30226493)
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Keywords | 分子認識 / 表面 / シクロデキストリン / クラウンエーテル / LB膜 / テオール / 電気化学 / 計測 |
Research Abstract |
LB膜作製用化合物として、シクロデキストリンおよびクラウンエーテル誘導体の合成を実施した。三種類の異なるサイズの環構造をもつ長鎖クラウンエーテルを調製した。これらの化合物を電極上にLB膜として被覆して表面の機能化も行った。このLB膜修飾表面への選択的なイオン吸着が起こることを、膜電位測定から明らかにした。イオン吸着挙動はLB膜の調製条件に著しく依存することから、ある程度任意に特性制御が可能であることがわかった。シクロデキストリンについては現在合成中である。 次に金または銀表面を機械化するために、含硫黄シクロデキストリン誘導体を合成し、これを金電極上に自己集合膜としてボルタンメトリーを実施した。機能化された電極上でもシクロデキストリンの抱接挙動が発現されることを確認するとともに、従来は困難であった電極不活性化合物のボルタンメトリーによる化学計測が可能であることを見出した。さらに、アニオンを選択的に認識することのできるジアニオンイオノフォアとして二種類の芳香族ジアンモニウムイオンを合成した。これらのイオノフォアを用いて機能化された高分子膜を用いて、電位応答型アニオン選択性電極を作製し、そのイオン応答特性を検討した。その結果有機ジアニオンに対して化学構造の差異によるわずかの選択性が見出され、新規の分子認識素子としての可能性が示唆された。
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