1993 Fiscal Year Annual Research Report
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05453143
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Research Institution | Japan Advanced Institute of Science and Technology |
Principal Investigator |
川上 雄資 北陸先端科学技術大学院大学, 材料科学研究科, 教授 (80109280)
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Keywords | 晶性化合物 / 液晶性高分子 / 分子設計 / 光学活性 / 分子不斉 / 炭化水素系ポリマー / シロキサン / タクチシチー |
Research Abstract |
本研究は、新しい液晶性化合物を探索すると共に、新規な液晶相を与える新規ポリマー主鎖構造やスペーサーを設計するだけでなく、新しい概念、すなわち高分子の立体規則性や、コンホメーションによる光学活性など、高分子に特有の主鎖の高次構造をポリマーの液晶性とむすびつけ、高分子に特有の新しい液晶相の発現について検討することを目的とした。具体的には、有機ほう素化合物を用いる新規液晶性化合物の探索、光学活性開始剤を用いて得られる、側鎖にメソゲンをもつアイソタクチックポリメタクリル酸エステルのとる、らせん構造、およびアレンジカルボン酸ポリエステルの分子鎖に沿った不斉構造など、光学活性なコンホメーションに基づくコレステリック、あるいは刺激応答の速いキラルスメクチック液晶相発現の条件について検討を行った。 まず、酒石酸と有機ほう素化合物より得られる光学活性新規液晶性化合物を発見した。また、主鎖が炭化水素より構成される、ポリジエン、ポリスチレン型のポリマー、および主鎖がヘテロ原子からなる高分子において、液晶相発現とメソゲン、スペーサーの構造との間の関係を明らかにした。主鎖が炭化水素、ヘテロ原子より構成される液晶性高分子は、申請者らによりはじめて合成されたものであり、極めて良好な液晶相が発現される物質であるため、さらなる詳細な検討が望まれる。また、メソゲンをもつメタクリル酸トリフェニルメチルエステルモノマーを合成し、ラジカル重合によりポリマーを得、ネマチック液晶相を示すのに、最適のスペーサー、テイルの構造、および鎖長について検討した。この際、フッ素原子をテイルとするポリマーが良好な液晶性高分子となることを見い出した。現在、この成果をもとに、メソゲン、スペーサー、高分子の主鎖構造等と、液晶相発現の関連を解明し、設計した液晶性高分子に対して光学活性な官能基の導入を図っている。具体的には、1)光学活性アレンジカルボン酸を合成し、それと組み合わせるジオール成分の構造、長さと主鎖型高分子における、コレステリック液晶性発現について検討している。さらに、スペーサーとして用いられた、このような分子不斉をもつ化合物が発現液晶相をどのように支配するのかを検討している。
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Research Products
(6 results)
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[Publications] Y.Kawakami: "Side-chain Liquid Crystalline Polydiene" Macromolecules. 26. 1177-1179 (1993)
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[Publications] Y.Kawakami: "Control of liquid crystalline phase by the molecular design of side-chain liquid crystalline polymers" New Functionality Materials. Volume C.533-538 (1993)
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[Publications] 川上雄資: "シロキサン結合を含む機能性ポリマーの分子設計" 染料と薬品. 38. 114-131 (1993)
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[Publications] 川上雄資: "枝分れ高分子の分子設計と機能" 高分子加工. 42. 598-607 (1993)
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[Publications] 川上雄資: "枝分れ高分子の分子設計" 海外高分子研究. 39. 194 (1993)
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[Publications] 佐野庸治: "ゼオライト膜の合成と分離性能" 膜. (印刷中). (1994)