1993 Fiscal Year Annual Research Report
In-situ重合法による分子複合材料の合成とその力学特性に関する研究
Project/Area Number |
05453146
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Research Institution | Sophia University |
Principal Investigator |
讃井 浩平 上智大学, 理工学部, 教授 (30053664)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
陸川 政弘 上智大学, 理工学部, 助手 (10245798)
青木 隆史 上智大学, 理工学部, 助手 (80231760)
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Keywords | In-situ重合法 / 酸・塩基相互作用 / 分子複合材料 / ポリアミド酸 / 力学特性 / ビニルピリジン-スチレン共重合体 / ポリイミド / 引張強度 |
Research Abstract |
本年度は屈曲性のマトリックスポリマーと酸・塩基相互作用を有するモノマーをマトリックスポリマー溶液中で重合して剛直性ポリマーを合成し,得られた分子複合材料中での両ポリマーの相互作用の程度とその力学特性との関係を検討し,次の結果を得た。 (1)ポリアミド酸/ビニルピリジン-スチレン共重合体系複合材料の合成とその力学特性: a)塩基性の屈曲性ポリマーとして種々の組成の4-および2-ビニルピリジン-スチレン共重合体を用い,そのDMAc溶液中でピロメリット酸無水物とp-フェニレンジアミンとからポリアミド酸を合成することにより複合材料を得た。 b)TEM,SEMによるミクロ構造観察の結果より,4-ビニルピリジン-スチレン共重合体系複合材料では均一なフィルムが得られたが,2-ビニルピリジン-スチレン共重合系では組成によってポリアミド酸のドメインの形成が確認された。 c)4-ビニルピリジン-スチレン共重合体系複合材料では構成成分であるポリアミド酸や4-ビニルピリジン-スチレン共重合体よりも大きい引張強度を有する複合材料フィルムが得られた。一方2-ビニルピリジン-スチレン共重合体系複合材料における補強効果は4-ビニルピリジン-スチレン共重合体系よりも小さかった。この補強効果の差は酸・塩基相互作用の違いによるものと考えられる。 (2)ポリイミド/ビニルピリジン-スチレン共重合体系複合材料の合成とその力学特性: (1)で得られた複合材料フィルムを段階的熱処理することにより,複合材料中のポリアミド酸をポリイミドとすると,その引張強度が著しく増大することが明らかになった。
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