1994 Fiscal Year Annual Research Report
火山灰土壌における接触施肥法(Co-Situs application)の研究
Project/Area Number |
05453157
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Research Institution | TOHOKU UNIVERSITY |
Principal Investigator |
庄子 貞雄 東北大学, 農学部, 教授 (10005605)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
菅野 均志 東北大学, 農学部, 教務職員 (30250731)
南條 正巳 東北大学, 農学部, 助教授 (60218071)
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Keywords | 火山灰土壌 / 接触施肥 / 溶出調節型肥料 / 窒素 / リン / カリウム / 水稲 / トウモロコシ |
Research Abstract |
火山灰土壌の強いリン保持能はリン酸イオンの土壌中の拡散に大きく影響した.速効性の粒状重過石と重過石をポリオレフィン樹脂で被覆した肥効調節型重過石(POC重過石)から溶出したリン酸イオンが約50日間に0,2,4mmの土壌中を拡散した量を比較した.その結果,土壌の厚さ0mmの場合にはPOC重過石からのリンの拡散量は重過石の2-15倍とPOC重過石では重過石より大きく有利であった.しかしながら,火山灰土壌では土壌の厚さが増すににつれて土壌中を拡散する燐酸イオンの量が沖積土より急減した.これらのことから,リン肥料の利用率を上げるためにはPOC重過石を作物根に密に接触させる必要のあることが示された. POC肥料接触区の根系発達は肥料周辺の細根の発達の良いことを除けば,接触施肥の影響をほとんど受けていないかのように伸長,発達した.このことは土壌中の養分や水分も十分利用できる根系発達を維持していることを示している.これに対して,速効性肥料を接触,側条施肥した場合には尿素自身の濃度障害または尿素の加水分解で発生するアンモニアガスの障害により,施肥位置への根の伸長が妨げられ,特にリンの吸収が阻害された.これは火山灰土壌の強いリン保持能のためにリン酸イオンが土壌中を拡散しにくく,根が施肥位置に達しないとリンを吸収できないためである.
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[Publications] Shoji,S.: "Use of polyolefin-coated fertilizers for increasing fertilizer efficiency and nitrate leaching" Fertilizer Research. 39. 147-152 (1994)
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[Publications] 庄子貞雄: "ポリオレフィンコート(肥効調節)肥料とその活用" 化学工業. 45. 887-893 (1994)
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[Publications] 菅野均志: "肥効調節型肥料を用いたデントコーンへの効率的リン施肥法" 川渡農場報告. 10. 7-11 (1994)
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[Publications] 田代卓: "肥効調節型肥料を利用する水稲の不耕起湛水直藩栽培-特に初期の生育確保について" 川渡農場報告. 10. 35-41 (1994)