1994 Fiscal Year Annual Research Report
食品蛋白質の分子構造変換による機能特性の発現機構-モルテングロビュールの役割
Project/Area Number |
05453170
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
広瀬 正明 京都大学, 食糧科学研究所, 教授 (60026523)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
山下 穂波 京都大学, 食糧科学研究所, 教務職員 (90252519)
高橋 延行 京都大学, 食糧科学研究所, 助手 (20252520)
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Keywords | モルテングロビュール / オボトランスフェリン / 血清アルブミン / 食品機能特性 / タンパク構造変換 / タンパク質フラグメント |
Research Abstract |
食品タンパク質のゲル化に重要な役割を果たすモルテングロビュール状態の構造を解析した。オボトランスフェリンと血清アルブミンは、いずれもドメイン構造をもつが、分子内S-S結合の還元的切断により、基本構造からモルテングロビュール状態に移行しゲル化する。そこで、これらのタンパク質をプロテアーゼを使って断片化することによりドメインを単離し、ゲル化におけるドメイン構造の役割を検討した。まず、血清アルブミンについて、プロテアーゼ反応に対する各種リガンドの効果を検討した結果、ヘミン存在下にキモトリプシンを作用させることにより、ドメイン-Iを特異的に欠失したフラグメントを高収率に精製する方法を確率した。また、このフラグメントを用いてゲル化に必要な構造要因を解析した結果、モルテングロビュール状態でのβストランドの含量が重要な役割を果たすことが分った。一方、オボトランスフェリンについては、鉄結合状態でトリプシンを作用させることによって、NおよびCドメインを単離し、ゲル化の実験を行った。その結果、有効なゲル形成には両ドメインの共存が必要であることが分った。円偏光二色性ならびに蛍光スペクトル分析機を用いた分光学的解析結果では、NおよびCドメインは単独でモルテングロビュール構造をとることから、ドメイン間の相互作用がゲル形成に重要であることが強く示唆された。さらに、オボトランスフェリンについては、S-S結合の切断の程度とモルテングロビュールの形成の関係を明らかにした。
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Research Products
(3 results)
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[Publications] Hirofumi Kurokawa: "Crucial role of intralobe peptide-peptide interactions in the uptake and release of iron by ovotransferrin" The Journal of Biological Chemistry. 269. 6671-6676 (1994)
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[Publications] Eizo Tatsumi: "Denatured state of ovalbumin in high concentrations of urea as evaluated by disulfide rearrangement analysis" The Journal of Biological Chemistry. 269. 28062-28067 (1994)
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[Publications] W.S.Shin: "Multiple effects of haemin binding on protease suscaptibility of bovine serum albumin and a novel isolation procedure for its large" Biochem.J.304. 81-86 (1994)