1994 Fiscal Year Annual Research Report
セルロースの活性エステル化およびアミノリシスによる超機能性セルロースの創製
Project/Area Number |
05453171
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
田中 浩雄 九州大学, 農学部, 教授 (20038243)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
阿部 善作 九州大学, 農学部, 助手 (30091383)
割石 博之 九州大学, 農学部, 助教授 (50253513)
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Keywords | セルロース / カルボキシメチルセルロース / エステル化 / 活性エステル / アミノリシス |
Research Abstract |
球状セルロース(セルロファイン)にセリウム塩法によりアクリル酸メチルをグラフト重合した。引き続き硫酸を触媒としてエチレンシアンヒドリンでエステル交換を行った。IR分析において2255cm^<-1>にシアノ基の吸収が現れたことによりエステル交換が起こっていることを確認した。さらに、p-ニトロフェノール、トリフルオロエタノール、トリクロロエタノール,N-ヒドロキシサクシンイミドを用いて活性エステル化を試みた。これらのグラフト化セルロースにアミロースを固定化し、酵素活性を測定した。エチレンシアンヒドリンによる活性化物の場合、固定化酵素の活性が5回繰り返し後もほとんど低下せず保持された。しかし、酵素活性は生酵素の10%以下であった。 次にセルロファインにアクリル酸をグラフトした。これに脱水剤(1-エチル-3-(3-ジメチルアミノプロピルカルボジイミド)を利用して、前述の試薬類により活性エステル化を行った。さらに酵素の固定を行ったが、活性は余り高くなく、また繰り返しごとに低下した。エステル化が十分でなくカルボキシル基が残存したのも一因であろう。 続いて、予め活性化したモノマーを利用してグラフト化した。まず、アクリル酸クロリドとエチレンシアンヒドリンとの反応によりシアノエチルアクリレートを合成した。これを前と同様にグラフト化し、グラフト率17%のセルロファインを得た。これにアミラーゼを固定化したが、比活性05の高い活性が得られた。しかも、10回繰り返し使用しても活性はほとんど低下しなかった。 アセトンやDMFを溶媒としてセルロースと2,4-トリレンジイソシアネートとの反応を行なった。4位のイソシアネート基とセルロースの水酸基が反応しウレタン結合を生成したが、2位のイソシアネート基はそのまま残存し、反応性セルロースが得られた。
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