1994 Fiscal Year Annual Research Report
プロラクチンによるシグナル伝達機構とT細胞機能制御に関する研究
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05453176
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Research Institution | Mie University |
Principal Investigator |
中島 邦夫 三重大学, 医学部, 教授 (40022800)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
田中 実 三重大学, 医学部, 助教授 (90024736)
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Keywords | 下細胞分化増殖 / プロククチン / Nb2細胞 / G1サイクリン / T抗原レセプターγ / サイクリンD2・D3 / 遺伝子発現 / シグナル伝達経路 |
Research Abstract |
平成6年度迄に、ラットNb2細胞・サイクリンD2及びサイクリンD3のcDNAクローンの構造解析とPRLによるサイクリンD2、D3、C、E、TCR-γ各遺伝子の発現調節の解析を行うことができた。ラットサイクリンD2cDNAは、全長1.12kbで288アミノ酸残基からなるサイクリンD2をコードし、それは、ヒト及びマウスのサイクリンD2とそれぞれ91.3%、98.3%の高い相同性を示し、共通した重要な作用機構に関与していることが示唆される。一方サイクリンD3については全長1.78kbのcDNAが得られ、292アミノ酸からなるタンパク質をコードし、ヒト及びマウスのサイクリンD3に対してそれぞれ93.2%、99.2%とより高い相同性を示した。Nb2細胞におけるプロラクチン刺激後のサイクリンD2及びサイクリンD3の遺伝子発現を検討したところ、サイクリンD2はG1期のみに、サイクリンD3はG1期とS期にまたがってmRNA合成最大値が見られた。このことは両者のやや低い相同性63%と共に、それぞれ異なる作用機構に関与していることを示唆するものと考えられる。またさらに、ラット・サイクリンD2およびD3遺伝子のクローンも得ることができた。 さらに今年度には、ラット・サイクリンD2及びD3の遺伝子をそれぞれ5個及び3個クローン化することに成功した。ラット・サイクリンD2遺伝子は約4kbの長さを持ち、ラット・サイクリンD3遺伝子は約7.5kbの長さを持っていた。今後はこれら両遺伝子の塩基配列読と5′領域の機能解析を進め、7年度には完成を目指して行くが、ラット・サイクリンD3遺伝子の5′先導領域を一部解析したところ、明確なCATボックス(GGACCAAT)を有するもののTATAボックスはTATAGCと、非典型的な配列のみが見出された。今後プライマーエクステンション法により、正確な転写開始部位を確定すると共に、転写因子結合部位の解析もゲルシフトアッセイ法、フットプリント法等で行ない、これらG1サイクリン遺伝子発現調節機構を解明していく必要がある。
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Research Products
(3 results)
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[Publications] Y.Hosokawa,T.Onga and K.Nakasima: "Induction of D2 and D3 cyclin-encoding genes during promotion of the G1/S transition by proloction in rat Nb2 cells" Gene. 147. 249-252 (1994)
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[Publications] T.Sugiyasna,H.Minoura,N.Kawabe,M.Tanaka&K.Nakashima: "Preforsnticl Expression of long form prolactin recaptor mRNA in the rat brain durtng the Oestrous cycle,pregnancy,and lactation:hormones inuoluad in its gene expression" J.Endocrinol. 141. 325-333 (1994)
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[Publications] K.Sakaguchi,T.Ohkubo,M.Tanaka and Nakashima: "Differential regwlation of prolactin racaptor mRNA expression in rat liver and kidney by testosterone and oestradiol" J.Endocrinol. 143. 383-392 (1994)