1995 Fiscal Year Annual Research Report
プロラクチンによるシグナル伝達機構とT細胞機能制御に関する研究
Project/Area Number |
05453176
|
Research Institution | Mie University |
Principal Investigator |
中島 邦夫 三重大学, 医学部, 教授 (40022800)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
細川 好孝 三重大学, 医学部, 助手 (60229193)
田中 実 三重大学, 医学部, 助教授 (90024736)
|
Keywords | ラット / プレーTリンフォーマ / Nb2 / G1サイクリン / サイクリンD2 / サイクリンD3 / プロラクチン / 遺伝子発現 |
Research Abstract |
これまでの一連の研究により、ラットPre-Tリンフォーマ細胞がプロラクチン依存性に増殖を開始する際には、早期にG1サイクリンのサイクリンD2及びサイクリンD3の遺伝子が発現されることが判明した。そこで平成7年度においては、Nb2細胞から得られたラット・サイクリンD2及びD3遺伝子の構造解析を行ない、そのプロモーター構造から遺伝子発現促進のメカニズムを解析した。1)先ずプライマーエクステンション法により、サイクリンD3遺伝子の転写開始部位を特定した。2)サイクリンD3の転写開始部位の下流のプロモーター領域には、TATAボックスが存在しなかった。即ち、ラット・サイクリンD3遺伝子はTATA-less遺伝子であった。3)同様にサイクリンD2遺伝子のプロモーター領域の構造解析を行ったところ、これもTATA-less遺伝子であった。4)サイクリンD3遺伝子のプロモーター領域をさらに上流に遡って解析したところ、複数種類の転写因子結合モチーフが存在することが判明した。5)ゲルシフト・アッセイ法により、P1領域(-61〜+62)及びP4領域(-448〜-321)が、プロラクチンにより刺激されたNb2細胞核抽出液中の因子によって結合されることが判明した。6)さらにDNase IによるDNA-footprinting解析を行ったところ、P1領域中の-54〜-2領域及びP4領域中の-380〜-320領域がプロラクチン誘導性因子によって結合されていることが判明した。7)この両領域の構造解析を行ったところ、-54〜-2領域にはATF/CREB、SP1/AP2及びSP1モチーフがあり、-380〜-320領域にはMGF/MCBF及び未知のモチーフが存在することが判明した。以上の結果から、ラット・サイクリンD3遺伝子は上記の複数のTATA非依存性の転写因子によって転写されることが示唆された。
|
-
[Publications] Yoshitaka Hosokawa 他: "Prolactin induces switching of T-cell receptor gene expression from α to γ in rat Nb2 pre-T lymphoma cells" Biochem. Biophys. Res. Commun.(印刷中). (1996)
-
[Publications] Yoshitaka Hosokawa 他: "Synergistic gene expressions of cyclin E, cdk2, cdk5 and E2F during the prolactin-induced G1/S transitlon in rat Nb2 pre-T lymphom2 cells" Biochem. Mol. Biol. International. 37. 393-399 (1995)
-
[Publications] Takahiko Fujikawa 他: "Restraint stress enhances the gene expression of prolactin receptor long form at the choroid plexus" Endocrinology. 136. 5608-5613 (1995)