1993 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
05453184
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Research Institution | Teikyo University |
Principal Investigator |
池上 四郎 帝京大学, 薬学部, 教授 (10119555)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
大竹 廣雄 帝京大学, 薬学部, 助手 (50256054)
宮嵜 洋二 帝京大学, 薬学部, 助手 (70211597)
本田 雄 帝京大学, 薬学部, 助手 (60173663)
飯森 隆昌 帝京大学, 薬学部, 助教授 (90246025)
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Keywords | プロスタサイクリン / イソカルバサイクリン / 6-イソカルバサイクリン / ロジウムトリフェニルアセタート / キラルロジウム(II)触媒 / 有機鉛試薬 / シアル酸 / ガングリオシド |
Research Abstract |
研究計画に基づき遂行した平成5年度の研究の概要を次に記す。 1.当研究室で開発された最も薬理活性の高いイソカルバサイクリン(PGI_2炭素類縁体)は現在最良の類縁体として実用化の段階にある。PGI_2類縁体の構造活性体相関の情報を次の分子設計に生かすため、関連する類縁体であるベンゾカルバサイクリンの合成を遂行し、ラセミ体の合成に成功した。関連誘導体の合成を含め生物活性評価は検討中である。なお、PGI_2アンタゴニスト活性が期待される二重結合の異性体である6-イソカルバサイクリンに関しても検討を加えている。 2.有機合成にRhカルベノイドの分子内C-H挿入反応を用いる反応を新規触媒を含めて開発した。Rh_2(OCOCPh_3)_4は極めて高い反応選択性を示すことが判明し、広く研究者の利用に供されるに至った。キラルRh(II)触媒を本反応に用いるとキラル分子の合成が可能で、Rh_2(N-Pht-L-Phe)_4が現在の処最良の触媒として見い出され、80%eeのキラル導入まで達成している。こを凌駕するキラルRh(II)触媒の設計と触媒合成を展開している。 3.beta-ケトエステルのalpha位置に1-アルケニルおよび1-アルキニルを直接導入することが可能であれば、PGomega鎖の直接導入法に応用できる。対応する鉛試薬がそれを可能にしたが、脱炭酸によるエステル部の除去は異性化を伴う危険性をはらみ困難な反応である。この脱炭酸を可能にするため2種の方法を確立したが、なお一般性を高めるためには改良を要する。反応機構の解明を含めて、反応の精査と新たな展開を計っている。 シアル糖であるガングリオシド関連化合物の新たな合成法を確立するため、先ずシアル酸(N-AcNA)およびその等価体の簡易化学合成法を確立する必要がある。現在、安価な6単糖からの新規合成法を検討している。
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Research Products
(1 results)
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[Publications] S.Hashimoto,N.Watanabe,T.Sato,M.Shiro,and S.Ikegami: "Enhacement of Ennatioselectivity in Intramolecular C-H Insertion Reactions of alpha-Diazo beta-Keto Esters Catalyzed by Chiral Dirhodium(II)Carboxylates" Tetrahedron Letters. 34. 5109-5112 (1993)