1994 Fiscal Year Annual Research Report
イオン輸送ペプチドの分子設計と構造・機能:イオノフォアと細胞外マトリックスのペプチド構築と金属イオンの捕捉機構を探る
Project/Area Number |
05453206
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Research Institution | SAGA UNIVERSITY |
Principal Investigator |
近藤 道男 佐賀大学, 理工学部, 教授 (30039250)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
兒玉 浩明 佐賀大学, 理工学部, 助教授 (80205418)
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Keywords | グラミシジンAibアナログ / CDスペクトルと高次構造 / イオンチャンネル形成能 / エラスチンモデルポリペプチド / 疎水性自己会合 / 金属イオン添加とCDスペクトル変化 / ペプチド構造と^<13>C-NMR |
Research Abstract |
細胞内の情報交換ではイオンの動きが機能発現のメッセンジャーの役割を担う。我々はこのイオンの流れを調節する機能分子として次の二つの分子集合形態に着目した。 (1)イオンチャンネルペプチドのハイブリッドアナログの構造・機能相関 本ハイブリッドアナログが、種々の環境下で安定なヘリックス構造をとることを明らかにした。また、リン脂質膜中のヘリックス含量は脂質比の増加により、増大する傾向を示した。このことから脂質層にペプチドが取り込まれる現象が示唆された。また低濃度においてもヘリックス-ヘリックス相互作用が観測された。合成ペプチドは脂質2重層の厚さより短いが、パッチクランプの実験より電位差に依存したイオンの流れをつくること、そのコンダクタンスは膜タンパクチャンネルの場合と類似していることから我々のハイブリッドペプチドは分子が会合し、ポアを形成してイオンの流れを制御していることを明らかにした。 (2)弾性機能蛋白質エラスチンのモデルペプチドの合成及び金属イオンと分子会合機能。 エラスチンモデルポリペプチドの分子間会合現象(コアセルベーション)の温度依存性を濁度の測定とCDスペクトルとを対応させて明らかにした。また、コアセルベート状態はトリフルオロエタノール中のCDスペクトルに類似しており、特に短波長側はCa^<2+>の添加で著しく変化することを知った。^<13>C-NMRによるカルボニル基の変化はCa^<2+>とCu^<2+>で濃度相関が見られたがNa^+、Mg^<2+>添加は影響が少なかった。このことからCa^<2+>が骨格部位に強く結合して捕捉されることを示した。これはエラスチンペプチドの自己会合と動脈硬化現象の一つ、カルシフィケーションの初期課程にペプチド構造変化が関与することを強く示唆した。
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