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1993 Fiscal Year Annual Research Report

石灰質ナノ化石群集の解析によるインド洋と西太平洋の第四紀古環境復元

Research Project

Project/Area Number 05454001
Research InstitutionYamagata University

Principal Investigator

岡田 尚武  山形大学, 理学部, 教授 (80111334)

Keywords石灰質ナノ化石 / 第四紀 / 古環境 / オーストラリア西岸域 / ルーウエン海流
Research Abstract

この研究での古環境解析に最適なデータの取り方を明らかにするため、コアRC9-150について数種類の手順で石灰質ナノ化石群集を計測した。データセットの有効度と集積所要時間とのかね合いを種々検討した結果、電子顕微鏡によるタクサの同定は確実ではあるが時間がかかりすぎるとの結論を得た。一方、この科学研究費で購入したアキシオプラン万能顕微鏡は極めて高性能であり、古環境解析に使える信頼度の高いデータを得られることも分かった。このため、電子顕微鏡を用いた観察は、光学顕微鏡下でのタクサ同定を確認する目的でのみ行い、データ収集に際しての実際の同定と観察にはアキシオプランのみを用いることにした。
実際の測定手順は、1)ガラスビーズ法による石灰質ナノ化石含有度の測定、2)主要タクサ(Florisphaera,Emiliania,Gephyrocapsa,Reticulofenestra属)間での群集組成を明らかにする第1レベルの計測、3)異なる環境に対応したGephyrocapsa属の変異型についての相対頻度測定、4)従属タクサ350個体についての同定と計数、という4段階である。
この測定手順に従ってオーストラリア西岸パース市沖合125kmで採取されたピストンコアRC9-150について同定・計数した結果、以下の事実が明らかになった。
(1)Florisphaera profundaの相対頻度はSST(海水温)の変化と対応しており、間氷河期には増加する。これは熱帯大西洋で明らかにされた傾向と同様で、大陸縁辺部でも氷期には基礎生産力が増大したことを示す。
(2)外洋性の種であるCalcidiscus leptoporusやUmbilicosphaera spp.は氷期に相対頻度が増える傾向にあり、オーストラリア西岸域では氷期にルーウエン海流が弱まって、外洋性の西オーストラリア海流の影響が大きくなった証拠と考えられる。

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Published: 1995-02-08   Modified: 2016-04-21  

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