1995 Fiscal Year Annual Research Report
植物の各種プラスチドに特異的なFdとFNRの性質・機能そしてその発現
Project/Area Number |
05454016
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Research Institution | Kanazawa University |
Principal Investigator |
和田 敬四郎 金沢大学, 理学部, 教授 (70028174)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
山口 和男 金沢大学, 遺伝子実験施設, 教授 (00019879)
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Keywords | プラスチド / 葉緑体 / 色素体 / Fd / FNR / 非光合成的機能 / PCR / cDNA |
Research Abstract |
本年度は,ホウレンソウ根のFNR遺伝子のcDNAをクローニングすることを最重点のテーマとして研究を行った。新しいプライマーの合成とこれまでに試みられなかったネステッドPCRを行い、正しいクローンを得ることに成功した。5'末端部はPCRの性質上明らかにすることはできなかったが、酵素タンパク質の全長を得ることができ,これまでにすでに得られているイネ,トウモロコシの根および葉のFNRのアミノ酸配列と比較した。NADP(H)結合サイトやフラビン結合サイトは非常に相同性が高かった。しかし、根と葉のFNRのアミノ酸配列において、Fd結合サイトを含むN末端の構造については相同性が低く、この部位での電子伝達機構の特異性が決められている可能性が示唆された。さらに両酵素の免疫反応の違いについても、N末端付近の構造が反映されているものと思われる。この点については更なる研究が求められる。 また、トマト果実からは果実に特異的に発現しているらしい新たなイソFdが見つかり、合計5種類のイソFdが存在することになった。これらの果実組織における分布状態を調べたところ、表皮組織、内皮組織、果肉組織等よりさらに複雑な分布を示した。恐らく葉緑体から色素体への変化の過程にかなり連続的な変異があり、それに伴ってイソFdも微妙に異なる発現をしているように思われる。 これらの結果は葉緑体においても果実では葉とはかなり異なったタンパク質発現機構をもつことが示唆され、葉緑体から色素体への進化過程の研究の糸口をつかみかけたと言えよう。
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Research Products
(2 results)
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[Publications] K.kamide et al: "Amino acid sequences of heterotrophic and photosynthetic ferredoxins from the tomato plant." Photosynthesis Research. 46. 301-308 (1995)
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[Publications] K.Aoki and K.Wada: "Spacial and temporal distribution of ferredoxin isoproteins in tomato(Lycopersicon esculentum L.)fruit." Plant Physiology. (In press). (1996)