1995 Fiscal Year Annual Research Report
原形質流動の軌道としてのマイクロフィラメント束の配列安定化機構
Project/Area Number |
05454018
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
永井 玲子 大阪大学, 理学部, 教授 (90028192)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
高木 慎吾 大阪大学, 理学部, 助手 (10192626)
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Keywords | 原形質流動 / マイクロフィラメント / 合成ペプチドARYDEI / オオセキショウモ / 葉肉細胞 |
Research Abstract |
本研究は、淡水産単子葉植物オオセキショウモの葉肉細胞で、原形質流動の軌道として働いているマイクロフィラメント(MF)束が、細胞壁関与のもとに細胞内所定の位置に安定して配列されている機構を明らかにすることを目的としている。平成7年度前半は6年度に引き続き、MF束の配列安定化に寄与する細胞壁中の因子について検討した。まず、合成ペプチドGRGDSP中のRGD配列と免疫的にも機能的にも同等であるとされている配列RYDを含むペプチドARYDEI (RYDペプチド)を合成し、このペプチドの原形質流動のパターン及びMF束の配列への影響を観察した。細胞外から与えたRYDペプチドにより(1〜30mMの濃度範囲)流動のパターン、MF束の配列は濃度依存的に乱された。対照として用いたペプチドARYEEIによっては両者ともに乱されなかった。後半期にはペプチドARYDEIの抗体を作製し、間接蛍光抗体法により細胞壁が染色されることを確認した。一方、ウエスタン法により54kDペプチドが、抗体と免疫交差反応を示すことを示した。以上の結果は、RGD配列あるいはRYD配列をもつ蛋白質が細胞壁中に存在し、それらを認識して結合する膜貫通蛋白質(受容体として働く)を介してMF束の配列の安定化がなされていることを示唆している。受容体存在の確認と同定は今後の問題として残された。
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Research Products
(4 results)
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[Publications] Ryu,J.-H.,Takagi,S.,Nagai,R.: "Stationary organization of the actin cytoskeleton in Vallisneria : the role of stable microfilaments at the end walls." J.Cell Science. 108. 1531-1539 (1995)
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[Publications] Mineyuki,Y.,Masuda,Y.,Kataoka,H.,Nagai,R.: "Dynamic changes in the actin cytoskeleton during the high-fluence response of the Mougeotia chloroplast." Protoplasma. 185. 222-229 (1995)
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[Publications] Dong,X.-J.,Takagi,S.,Nagai,R.: "Regulation of the orientation movement of chloroplasts in epidermal cells of Vallisneria : cooperation of phytochrome with photosynthetic pigment." Planta. 197. 257-263 (1995)
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[Publications] Dong,X.-J.,Ryu,J.-H.Takagi,S.,Nagai,R.: "Dynamic changes in the organization of microfilaments associated with photocontrolled motility of chloroplasts in epidermal cells Vallisneria." Protoplasma. (in press). (1996)